損益の勘定科目はどれ?損益計算書の科目一覧と損益勘定の仕訳を徹底解説

「損益の勘定科目って何?」と調べると、2つの異なる意味が出てきて混乱することがあります。ひとつは損益計算書(PL)に登場する収益・費用の勘定科目、もうひとつは簿記の決算処理で使う「損益勘定」です。この記事では両方をまとめて解説します。経理実務で科目一覧を確認したい方は第2章を、簿記学習中の方は第3章を参考にしてください。


目次

1. 「損益 勘定科目」が指す2つの意味

意味対象者内容
① 損益計算書の勘定科目経理担当者・個人事業主PLに計上する収益・費用の科目名
② 損益勘定(決算振替)簿記学習者期末に収益・費用を集計するための仮勘定

2. 損益計算書(PL)で使われる勘定科目一覧

損益計算書は収益から費用を差し引いて利益を計算する財務諸表です。以下の構造に沿って、主要な勘定科目を整理します。

売上高(営業収益)

勘定科目内容
売上高商品・製品・サービスの販売による収益
完成工事高建設業・工事業で使う売上科目
役務収益サービス業で使う売上科目

売上原価

勘定科目内容
仕入高(売上原価)販売した商品の取得原価
製造原価製造業における製品の製造コスト

販売費及び一般管理費(販管費)

経常的な事業活動にかかる費用をまとめた区分です。

勘定科目内容
給料・賞与従業員への給与・ボーナス
法定福利費社会保険料の会社負担分
広告宣伝費広告・チラシ・Web広告の費用
旅費交通費出張・交通費
通信費電話・インターネット・切手代
消耗品費文具・備品など10万円未満のもの
地代家賃事務所・店舗の家賃
水道光熱費電気・ガス・水道代
減価償却費固定資産の費用配分
接待交際費取引先への飲食・贈答費用
租税公課固定資産税・印紙税など
支払手数料振込手数料・各種サービス手数料

営業外収益・営業外費用

本業以外の財務活動による損益です。

区分勘定科目内容
収益受取利息預金・貸付金の利息収入
収益受取配当金株式の配当収入
収益雑収入上記に分類できない収益
費用支払利息借入金の利息
費用為替差損外貨換算による損失

特別利益・特別損失

臨時・例外的な損益です。毎期継続して発生するものは計上できません。

区分勘定科目内容
利益固定資産売却益固定資産を帳簿価額より高く売った差額
利益投資有価証券売却益株式等の売却益
損失固定資産売却損固定資産を帳簿価額より安く売った差額
損失災害損失火災・台風などによる損害

法人税等

勘定科目内容
法人税、住民税及び事業税当期に確定した法人税・地方税
法人税等調整額税効果会計による調整額(上場企業等)

3. 「損益勘定」とは?(簿記の決算処理)

簿記における「損益」という勘定科目は、期末決算時に収益・費用の残高をいったん集計するための仮の勘定です。実務の財務諸表には登場せず、主に簿記3級・2級の試験手書き帳簿で登場します。

なぜ損益勘定が必要なのか

収益と費用は毎期ゼロにリセットする必要があります(損益勘定は翌期に繰り越しません)。そこで決算時に次の順序で帳簿を締め切ります。

  1. すべての費用科目の残高 → 損益勘定の借方へ振替
  2. すべての収益科目の残高 → 損益勘定の貸方へ振替
  3. 損益勘定の差額(当期純利益)→ 繰越利益剰余金へ振替

損益振替仕訳①:費用を損益勘定へ振替

費用科目の残高(借方)を損益勘定の借方へ振り替えます。

例:売上原価(仕入)300,000円、給料500,000円を振替

借方金額貸方金額
損益300,000仕入300,000
損益500,000給料500,000

損益振替仕訳②:収益を損益勘定へ振替

収益科目の残高(貸方)を損益勘定の貸方へ振り替えます。

例:売上高1,000,000円、受取利息10,000円を振替

借方金額貸方金額
売上1,000,000損益1,000,000
受取利息10,000損益10,000

資本振替仕訳:当期純利益を繰越利益剰余金へ振替

振替後、損益勘定の貸方残高が当期純利益です(この例では210,000円)。これを繰越利益剰余金に振り替えて損益勘定を締め切ります。

借方金額貸方金額
損益210,000繰越利益剰余金210,000

個人事業主の場合:「繰越利益剰余金」ではなく「資本金」勘定に振り替えます。


よくある質問

「損益」という勘定科目は実務でも使いますか?

一般的な実務(会計ソフト入力)では「損益」という勘定科目を直接入力することはほとんどありません。会計ソフトが自動で損益計算書を作成するため、手動で損益振替をする必要がないためです。主に簿記検定の学習・試験手書き帳簿を使う場面で登場します。

損益計算書の勘定科目は会社によって違いますか?

大まかな区分(売上高・売上原価・販管費など)は会計基準で定められていますが、科目の細分化は会社ごとに設定できます。たとえば「消耗品費」と「事務用品費」を統合して使う会社もあります。重要なのは毎期同じ科目を継続して使うこと(継続性の原則)です。

損益計算書と貸借対照表の勘定科目は重複しますか?

重複しません。損益計算書(PL)は収益・費用の科目、貸借対照表(BS)は資産・負債・純資産の科目で構成されます。たとえば「現金」はBS科目、「旅費交通費」はPL科目です。


まとめ

確認ポイント内容
損益計算書の科目収益(売上高・営業外収益)と費用(売上原価・販管費・営業外費用)に大別
損益勘定(簿記)期末に収益・費用を集計する仮勘定。実務の会計ソフトでは不要
振替の順序①費用→損益 ②収益→損益 ③損益→繰越利益剰余金

損益計算書の各区分については、以下の記事も参考にしてください。

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この記事を書いた人

会計・経理アドバイザー / 中小企業支援コンサルタント

経歴
大学卒業後、会計事務所で10年以上勤務し、法人・個人事業主の会計処理、税務申告、経理業務改善を多数経験。特に「勘定科目の設定・運用」に関して、企業規模や業種ごとに最適化したアドバイスを提供してきた。現在は独立し、経理の効率化や会計初心者向けの研修も実施。

専門分野
・勘定科目の選定・運用ルール作り
・会計ソフト導入と科目設定支援
・経理担当者の教育・研修
・中小企業の経営数字可視化サポート

サイトの目的
「勘定科目は難しい…」という声をなくし、初心者でも迷わず正しい科目選択ができるようにすること。具体例・図解・テンプレートを用いて、経理や会計業務の現場で即使える情報を発信しています。

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