経費精算のキャッシュレス化に伴い、法人カード(ビジネスカード)を利用する企業が増えています。
毎月届く利用明細を見たとき、買い物の内容以外で気になるのが以下の項目ではないでしょうか。
「カードの年会費が引かれているけど、科目は何?」
「貯まったポイントで事務用品を買ったけど、どう仕訳するの?」
「分割払いの手数料に消費税はかかっているの?」
これらは一見似ていますが、税務上の取り扱いはバラバラです。
この記事では、クレジットカードにまつわる特有の経理処理について解説します。
結論:この3つを覚えればOK
- カード年会費
科目:支払手数料(または諸会費)
税区分:課税(消費税かかる) - 分割・リボ払い手数料
科目:支払利息
税区分:非課税(消費税かからない) - ポイント利用
処理:原則として「値引き」扱い
仕訳:ポイント差し引き後の「支払金額」のみを経費計上する。
1. カード年会費の仕訳
ゴールドカードやプラチナカードなど、高額な年会費がかかる場合の処理です。
勘定科目:支払手数料(または諸会費)
一般的には、カード会社への利用対価として「支払手数料」を使います。各種団体への会費として「諸会費」を使っても間違いではありませんが、継続して同じ科目を使うことが重要です。
消費税:課税(10%)
ここが間違いやすいポイントです。「会費」とつくと非課税のイメージがありますが、クレジットカードの年会費は「カード機能やサービスを利用するための対価」とみなされるため、消費税がかかります(課税仕入)。
| 借方 | 金額 | 摘要 | 消費税 |
|---|---|---|---|
| 支払手数料 | 11,000 | カード年会費 | 課税仕入 |
| (合計) | 貸方:未払金 | 11,000 |
2. 分割・リボ払い手数料の仕訳
資金繰りの都合で、分割払いやリボ払いを利用した時に発生する「手数料」。
名目は手数料ですが、実質は「お金を借りていることに対する金利」です。
勘定科目:支払利息
金融的な性質を持つため、「支払利息」(または支払利息割引料)として営業外費用に計上します。
消費税:非課税
利息には消費税がかかりません。年会費(課税)と混同して「支払手数料(課税)」で処理してしまうと、消費税の計算が合わなくなるので注意が必要です。
3. ポイントを使って買い物をした場合
法人カードで貯まったポイントや、Amazonポイントなどを使って備品を購入した場合の処理です。
原則:値引きとして処理(純額主義)
最もシンプルで実務で推奨されるのは、「ポイント値引き後の金額を経費にする」方法です。
【例】10,000円の消耗品を買い、1,000ポイントを利用して、差額9,000円をカード決済した。
| 借方 | 金額 | 摘要 | |
|---|---|---|---|
| 消耗品費 | 9,000 | 事務用品代(ポイント利用) | |
| (合計) | 貸方:未払金 | 9,000 |
この方法なら、「雑収入」などを計上する必要がなく、仕訳がシンプルになります。
(※レシートには「合計10,000円、ポイント充当-1,000円」と記載されていますが、会計上は9,000円の支出として扱って問題ありません。)
例外:全額をポイントで買った場合
1円もお金を払わずにポイントだけで購入した場合、仕訳は「なし」でも構いませんが、資産管理が必要なもの(PCなど)の場合は、以下のように処理します。
- 借方:工具器具備品 〇〇円
- 貸方:雑収入 〇〇円(消費税不課税)
おまけ:仕訳のタイミング(発生日 vs 引落日)
クレジットカード仕訳の基本中の基本ですが、経費計上するタイミングは「カードを利用した日(購入日)」です。
銀行口座から引き落とされた日ではありません。
- 購入時: 「未払金」で計上する。
(借)消耗品費 / (貸)未払金 - 引落時: 「未払金」を消し込む。
(借)未払金 / (貸)普通預金
決算期末には、まだ引き落とされていないカード利用分もしっかり計上(未払計上)しないと、その年の経費として認められないため注意しましょう。
まとめ
クレジットカード明細の中身は、項目によって性格が異なります。
- 年会費 → サービスの対価(課税・手数料)
- 分割手数料 → 金利(非課税・利息)
- ポイント利用 → ただの値引き(処理不要)
これらを正しく分類することで、正確な消費税申告と月次決算が可能になります。
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