自動車税の勘定科目は「租税公課」!仕訳・家事按分・重量税との違いを完全解説【2026年版】

毎年5月に届く自動車税の納付書。経理処理での勘定科目は「租税公課」です。軽自動車税や重量税との違い、個人事業主が注意すべき「家事按分」の計算、車を購入した時の取得価額に含める税金・含めない税金のルールをわかりやすく解説します。

毎年5月になると届く「自動車税種別割の納税通知書」。金額が3万円〜10万円超になることも多く、「どの勘定科目で処理すればいいのか」「個人事業主は全額経費にしていいのか」と悩む方が多い費目です。

この記事では、自動車税の勘定科目(租税公課)の確認から、個人事業主・法人それぞれの仕訳例、よく混同される自動車重量税・環境性能割との違い、freeeでの処理手順まで、実務で必要な知識をすべて網羅して解説します。

この記事でわかること

  • 自動車税の勘定科目は何か(答え:租税公課)
  • 個人事業主が家事按分する際の計算方法と仕訳
  • 法人(会社)の場合の処理方法
  • 自動車税・重量税・環境性能割の3つの違いと勘定科目比較表
  • 消費税の区分(非課税・対象外の正しい理解)
  • freeeでの登録手順
  • 納税通知書が届いたときのチェックリスト

目次

自動車税(種別割)の基本情報

自動車税とは何か

自動車税(正式名称:自動車税種別割)は、毎年4月1日時点で自動車を所有している人に課される地方税です。都道府県が課税主体であり、毎年5月31日が納期限(一部自治体で異なる場合あり)となっています。

税額は排気量によって決まります(2019年10月の税制改正後の金額。2026年時点)。

排気量年税額(乗用車・自家用)
1,000cc以下25,000円
1,000cc超〜1,500cc以下30,500円
1,500cc超〜2,000cc以下36,000円
2,000cc超〜2,500cc以下43,500円
2,500cc超〜3,000cc以下50,000円
3,000cc超〜3,500cc以下57,000円
3,500cc超〜4,000cc以下65,500円
4,000cc超〜4,500cc以下75,500円
4,500cc超〜5,000cc以下87,000円
5,000cc超110,000円

※軽自動車は軽自動車税(種別割)として別途課税されます(一律10,800円、2015年4月以降登録の場合)


自動車税の勘定科目は「租税公課」

結論:租税公課で処理する

自動車税の勘定科目は「租税公課」です。これは個人事業主でも法人でも共通です。

租税公課とは、国や地方自治体に支払う税金(租税)と、公的な負担金(公課)を処理する勘定科目です。自動車税以外にも、固定資産税・印紙税・法人事業税(収入割)などが租税公課に該当します。

消費税の区分は「対象外(不課税)」

自動車税は税金そのものであるため、消費税の課税対象外(不課税取引)です。会計ソフトに入力する際は「対象外」または「不課税」を選択します。

「非課税」と「対象外(不課税)」は似ていますが意味が異なります。非課税は「消費税法上の規定で課税しない取引」、不課税は「そもそも消費税の対象にならない取引」です。税金の支払いは不課税に分類されます。


自動車税の仕訳例【個人事業主・法人別】

ケース1:現金・コンビニで支払った場合(2,000cc・36,000円の例)

最もシンプルなパターンです。

借方金額貸方金額摘要
租税公課36,000現金36,000自動車税種別割 納付

ケース2:銀行口座(普通預金)から振込した場合

借方金額貸方金額摘要
租税公課36,000普通預金36,000自動車税種別割 納付

ケース3:クレジットカード払いの場合

一部の都道府県ではクレジットカード納付が可能です。決済手数料が別途発生する場合は「支払手数料」に分けて計上します。

借方金額貸方金額摘要
租税公課36,000未払金36,330自動車税 カード払い
支払手数料330決済手数料(税込)

※カード決済手数料は消費税の「課税取引」となります。

ケース4:Pay払い・キャッシュレス決済の場合

PayPay請求書払いやナナコなどで支払った場合も、実質は現金払いと同様に処理します。

借方金額貸方金額摘要
租税公課36,000普通預金36,000自動車税 Pay払い

【個人事業主】家事按分の計算方法と仕訳

家事按分が必要なケース

個人事業主が自家用・業務用の両方に車を使っている場合(「家事共用資産」という)は、自動車税の全額を経費にすることはできません。業務で使っている割合(業務使用割合)に応じて按分する必要があります。

これは自動車税に限らず、ガソリン代・駐車場代・車両保険料・車検費用など、車に関わるすべての費用で同様の処理が必要です。

業務使用割合の計算方法

業務使用割合は以下の方法で計算します。

方法1:走行距離比率(最も一般的・税務調査でも認められやすい)

業務使用割合 = 年間の業務走行距離 ÷ 年間の総走行距離 × 100

例:年間総走行距離12,000km、うち業務走行8,000kmの場合 → 業務使用割合 = 8,000 ÷ 12,000 × 100 = 約67%

方法2:使用時間比率

業務で使用した時間 ÷ 総使用時間で計算する方法。ただし記録が難しいため、走行距離比率の方が現実的です。

家事按分の仕訳例

自動車税36,000円、業務使用割合60%の場合

経費算入額:36,000円 × 60% = 21,600円 家事使用分:36,000円 × 40% = 14,400円

借方金額貸方金額摘要
租税公課21,600普通預金36,000自動車税(事業分60%)
事業主貸14,400自動車税(家事分40%)

「事業主貸」は、個人事業主が事業用のお金を個人的な目的で使った際に使う勘定科目です。経費から除外するための処理として機能します。

家事按分の根拠記録の重要性

税務調査が入った際に按分根拠を説明できないと、経費否認されるリスクがあります。以下の記録を保管しておきましょう。

  • 業務日誌や走行記録(行き先・目的・走行距離)
  • カーナビやスマートフォンのGPSログ
  • 出張・営業の記録が残る手帳・メール

合理的な根拠があれば、50%・60%・70%などの切りのいい割合を使ってもかまいません。ただし、根拠のない100%計上や極端に高い割合は指摘を受けやすいため注意が必要です。


【法人】社用車の自動車税処理

法人の基本仕訳(全額経費)

法人名義の社用車であれば、原則として自動車税の全額を経費(租税公課)として計上できます。

借方金額貸方金額摘要
租税公課43,500普通預金43,500自動車税種別割 ○○(車両番号)

複数台の社用車がある場合は、摘要に車両番号を記載しておくと管理しやすくなります。

従業員の私有車を業務使用している場合(マイカー通勤)

マイカーを業務に使わせている場合でも、自動車税は車両の所有者(従業員個人)に課税されます。会社が負担する場合は「旅費交通費」または「給与」として処理し、租税公課にはなりません。

ただし一般的には、ガソリン代・駐車代などを「通勤費(旅費交通費)」として実費精算するのが実務上の標準です。


カーリース・社用車の場合の取り扱い

カーリースの場合

カーリース(オペレーティングリース)の場合、車両の所有権はリース会社にあります。そのため、自動車税はリース会社が支払います。

リース料の中に自動車税相当額が含まれている場合は、リース料全体を「車両費」または「賃借料」として処理します。自動車税を別途「租税公課」に計上する必要はありません。

借方金額貸方金額摘要
車両費(または賃借料)30,000普通預金30,000カーリース代 ○月分

ファイナンスリース(所有権移転型)の場合

所有権移転ファイナンスリースや、所有権移転外でも一定の条件を満たす場合は、実質的に購入と同じ扱いとなるため、自動車税は「租税公課」で計上します。


自動車税・重量税・環境性能割の違いと勘定科目まとめ

車に関する税金は複数あり、混乱しやすいです。以下の比較表で整理しましょう。

税金の種類課税時期課税主体勘定科目消費税区分備考
自動車税(種別割)毎年4月1日時点の所有者に課税都道府県租税公課不課税5月末納付
軽自動車税(種別割)毎年4月1日時点の所有者に課税市区町村租税公課不課税5月末納付
自動車重量税車検時・新車登録時国(国税)租税公課不課税車検費用に含まれることが多い
環境性能割自動車の取得時(一度のみ)都道府県・市区町村租税公課 または 取得価額に算入不課税旧・自動車取得税の後継(2019年10月〜)

自動車取得税(廃止)について

2019年9月30日以前は「自動車取得税」が課されていましたが、同年10月1日の消費税率引き上げに伴い廃止されました。現在は「環境性能割」(グリーン化の度合いに応じた税率)に切り替わっています。古い記事や書籍では自動車取得税と記載されているものがありますが、2026年時点では環境性能割が適用されています。

環境性能割の勘定科目

環境性能割には2通りの処理方法があります。

方法1:全額を租税公課として費用計上する 取得した年の費用として計上する方法。金額が少額の場合や、個人事業主が使用することが多いです。

方法2:車両の取得価額に含める(資本的支出) 法人が多用する方法。購入した車の取得価額(資産額)に含めて計上し、減価償却を通じて経費化します。

どちらが正しいということはなく、継続して同じ方法を採用するのが重要です。


車両購入時の税金・費用の仕訳まとめ

新車・中古車を購入した際には複数の費用が発生します。それぞれの勘定科目を整理します。

費用項目勘定科目消費税区分備考
車両本体価格車両運搬具課税減価償却の対象
環境性能割租税公課 or 取得価額に算入不課税旧・自動車取得税
自動車重量税(登録時)租税公課 or 取得価額に算入不課税車検時のものは別処理
自賠責保険料保険料(長期前払費用)不課税複数年分は按分処理
リサイクル料金預託金(資産)不課税売却・廃車時まで費用化しない
登録費用・印紙代支払手数料 or 租税公課不課税実費部分
ディーラー手数料支払手数料課税登録代行料等

リサイクル料金の注意点

リサイクル料金は将来の廃車・解体時に使われる「預け金」であり、支払時点では費用にできません。「預託金」または「長期前払費用」として資産計上し、実際に車を廃棄・売却した時に費用処理します。これを租税公課として処理してしまうのは誤りです。


減価償却との関係

自動車税は減価償却の対象外

自動車税は毎年発生する費用(収益的支出)であるため、取得価額には含まれません。購入した車自体は「車両運搬具」として資産計上し、減価償却を通じて費用化しますが、毎年の自動車税は別途「租税公課」として当期費用に計上します。

車両の耐用年数と減価償却

(参考)車両運搬具の法定耐用年数(2026年時点)

車両の種類法定耐用年数
普通自動車6年
軽自動車4年
乗用車(総排気量3L超)6年

中古車の場合は「簡便法」で耐用年数を算出します。

  • 法定耐用年数の全部を経過している:法定耐用年数 × 20%(最低2年)
  • 一部を経過している:(法定耐用年数 − 経過年数)+ 経過年数 × 20%

5月の納税通知書が届いたらやること

チェックリスト

毎年5月に送られてくる「自動車税種別割納税通知書」。経理上のやることを整理します。

1. 納付方法を確認する

  • コンビニ・銀行窓口:5月31日(または各自治体の納期限)までに支払う
  • クレジットカード・Pay払い:一部自治体はオンライン納付に対応

2. 仕訳を登録する(支払日ベース)

  • 現金払い→支払日に「租税公課 / 現金」で計上
  • 口座引き落とし→引落日に「租税公課 / 普通預金」で計上
  • カード払い→引落日に「租税公課 / 未払金」で計上し、カード引落日に消込

3. 個人事業主は按分率を確認する

  • 今年度の業務使用割合を改めて確認
  • 去年と大きく変わっている場合は、走行記録を見直して合理的な割合を設定

4. 納税証明書を受け取る

  • 車検(継続検査)の際に「自動車税納税証明書」が必要な場合があります(電子化により省略できるケースも増加)
  • 紙の納税通知書は領収書として保管しておきましょう

期限を過ぎた場合の延滞金

5月末の納期限を過ぎると延滞金が発生します。延滞金は租税公課に含めて処理することができますが、本税(自動車税本体)と分けて明記しておくとわかりやすくなります。

借方金額貸方金額摘要
租税公課36,330現金36,330自動車税 本税36,000 延滞金330

freeeでの処理手順

自動車税をfreeeに登録する方法

freeeでは「自動入力」や「取引の追加」から自動車税を登録できます。

手順1:「取引の追加」から登録する場合

  1. freeeの「取引」→「取引の追加」をクリック
  2. 取引種別:「支出」を選択
  3. 勘定科目:「租税公課」を入力(候補に表示される)
  4. 消費税区分:「対象外」または「不課税」を選択
  5. 金額:36,000円(実際の金額)
  6. 摘要:「自動車税種別割 ○月分 納付」

手順2:銀行口座との連携で自動入力された場合

口座連携で自動取り込みされた場合、勘定科目が自動提案されます。

  • 勘定科目が「租税公課」以外に提案されている場合は手動で修正
  • 消費税区分が「課税(10%)」になっている場合は「対象外」に変更

個人事業主の家事按分をfreeeで登録する手順

freeeの家事按分機能を使う方法と、仕訳を2行に分ける方法があります。

2行に分けて入力する場合(推奨)

  1. 借方に「租税公課(21,600円)」「事業主貸(14,400円)」の2行を入力
  2. 貸方に「普通預金(36,000円)」1行を入力
  3. 消費税区分はいずれも「対象外」

家事按分機能を使う場合

  1. 「取引の追加」で租税公課36,000円として全額入力
  2. 「家事按分」タブで業務使用割合60%を入力
  3. freeeが自動的に按分計算して登録

年度途中で車を売却した場合の処理

売却時の自動車税の精算

車を売却・下取りに出した場合、4月1日時点の所有者に課税されているため、「月割りで未経過分を買主(ディーラー)が負担する」慣行があります(法的義務ではなく商慣習)。

売却価格の中に自動車税精算分が含まれている場合:

借方金額貸方金額摘要
普通預金800,000車両運搬具700,000自動車売却
固定資産売却益98,000売却差益
雑収入2,000自動車税精算分

自動車税精算分は「雑収入」として収益計上します。


よくある間違いと注意点

間違い1:環境性能割を「自動車取得税」と勘違いする

2019年10月1日に自動車取得税は廃止されました。現在は「環境性能割」が後継税です。古い会計書籍や解説には「自動車取得税」の記述が残っていますが、2026年時点では環境性能割を適用します。

間違い2:自動車重量税と混同する

自動車重量税は「車検時(または新規登録時)」に課税される国税で、車の重量に応じた税額です。自動車税(毎年の都道府県税)とは全くの別物です。どちらも「租税公課」ですが、課税タイミング・課税主体・税額の計算方法が異なります。

間違い3:リサイクル料金を租税公課にしてしまう

リサイクル料金は税金ではなく「預託金(デポジット)」です。支払時は資産計上し、廃車・売却時に費用化します。これを租税公課に誤計上すると、決算書の費用が過大計上になります。

間違い4:消費税区分を「非課税」にしてしまう

税金の支払いは「対象外(不課税)」です。「非課税(食料品などに使う区分)」ではありません。会計ソフトで間違えやすいので注意が必要です。


まとめ

自動車税の会計処理をまとめます。

勘定科目・基本ルール

  • 勘定科目:租税公課
  • 消費税区分:対象外(不課税)
  • 個人事業主の家事共用車:業務使用割合で按分し、家事分は「事業主貸」
  • 法人名義の社用車:全額を租税公課として費用計上

車関連の税金と勘定科目の対応

税金タイミング勘定科目
自動車税(種別割)毎年5月租税公課
軽自動車税毎年5月租税公課
自動車重量税車検時租税公課
環境性能割購入時(一度のみ)租税公課 or 取得価額算入
リサイクル料金購入時(預け金)預託金(資産)

5月のやることリスト

  1. 納税通知書を確認
  2. 納期限(5月31日)までに納付
  3. 支払日に「租税公課 / 現金(or 普通預金)」で仕訳を登録
  4. 個人事業主は按分率を確認・適用
  5. 納税証明書を保管

よくある質問

Q1. 軽自動車の自動車税(種別割)の勘定科目も「租税公課」ですか?

はい、軽自動車税(種別割)も「租税公課」で処理します。軽自動車税は市区町村が課税主体ですが、会計上の取り扱いは自動車税と同じです。2015年4月1日以降に新規登録した軽自動車は年額10,800円(自家用乗用)、それ以前の登録車は7,200円です(2026年時点)。

Q2. 個人事業主で車を100%業務専用にしている場合、全額経費にできますか?

業務のみに使用していることが証明できれば全額「租税公課」として経費算入できます。ただし、実態が「ほぼ私用」であるにもかかわらず全額経費にしていると、税務調査で否認されるリスクがあります。走行記録・業務日誌など証拠書類を整えておきましょう。

Q3. 自動車税の還付(月割り精算)を受けた場合の仕訳は?

年度途中で廃車・売却・抹消した場合、残り月数分の自動車税相当額が還付(充当)される場合があります。この場合は「雑収入」として収益計上します。

Q4. 未払いの自動車税(納期限翌日以降)は帳簿上どう処理しますか?

決算日をまたいで未払いの場合、「未払金」または「未払費用」として負債計上することができます。ただし、実務上は支払時に経費計上するケースも多く、金額の重要性を考慮して判断します。

Q5. 電気自動車(EV)は自動車税が免除されますか?

2026年時点では、電気自動車は自動車税種別割の「グリーン化特例」による軽減措置があります(ただし最初の登録年の翌年度のみが対象で、その後は通常税額)。最新の自治体情報を確認してください。なお、この軽減措置を受けている場合も勘定科目は「租税公課」で処理します。


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※本記事の内容は一般的な会計処理の解説です。個別の判断は税理士等専門家にご相談ください。

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この記事を書いた人

会計・経理アドバイザー / 中小企業支援コンサルタント

経歴
大学卒業後、会計事務所で10年以上勤務し、法人・個人事業主の会計処理、税務申告、経理業務改善を多数経験。特に「勘定科目の設定・運用」に関して、企業規模や業種ごとに最適化したアドバイスを提供してきた。現在は独立し、経理の効率化や会計初心者向けの研修も実施。

専門分野
・勘定科目の選定・運用ルール作り
・会計ソフト導入と科目設定支援
・経理担当者の教育・研修
・中小企業の経営数字可視化サポート

サイトの目的
「勘定科目は難しい…」という声をなくし、初心者でも迷わず正しい科目選択ができるようにすること。具体例・図解・テンプレートを用いて、経理や会計業務の現場で即使える情報を発信しています。

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