パーティションの勘定科目と耐用年数は?「建物附属設備」と「工具器具備品」の判断基準を解説

オフィスのレイアウト変更や開設時に欠かせない「パーティション(間仕切り)」の設置工事。
請求書を見て、「これは消耗品費で落ちるのか? それとも資産計上か?」と迷われる経理担当者の方は非常に多いです。

実はパーティションは、「どう設置したか(構造)」によって勘定科目と耐用年数が大きく変わります。
この記事では、実務で迷いやすいパーティションの資産区分と仕訳判断のポイントを解説します。

結論:パーティションの仕訳判定チャート

  • 床に置くだけ・簡易なもの
    工具器具備品(耐用年数:3年
  • 天井と床に固定(レール設置など)
    建物附属設備(耐用年数:15年
  • 壁として完全に一体化(石膏ボード等)
    建物(建物の耐用年数に合わせる)
目次

判断の基準は「再利用できるか(移動できるか)」

税務上、パーティションをどの勘定科目にするかの最大の判断基準は、「取り外して他の場所で再利用できるかどうか」にあります。

1. 工具器具備品になるケース(耐用年数3年)

以下のような簡易的なものは「工具器具備品」として扱います。

  • 床に置いているだけのローパーティション(ついたて)
  • ビスやネジだけで固定されており、簡単に取り外して移設できるもの
  • アコーディオンカーテン

これらは「家具」に近い扱いとなり、法定耐用年数は「3年」(器具及び備品 > 家具、電気機器、ガス機器及び家庭用品 > その他のもの)が適用されるのが一般的です。

2. 建物附属設備になるケース(耐用年数15年)

多くのオフィス工事で設置される、天井まであるアルミやスチールのパーティション(ハイパーティション)は、こちらに該当することが多いです。

  • 天井と床にレールを走らせて固定している
  • 解体・移設は可能だが、専門業者による工事が必要

これらは「可動間仕切り」と呼ばれ、勘定科目は「建物附属設備」となります。耐用年数は「15年」(建物附属設備 > 可動間仕切り)です。

⚠️ 注意:10万円未満なら「消耗品費」
上記にかかわらず、パーティション1枚(または1組)の取得価額が10万円未満であれば、「消耗品費」として全額経費計上できます。(中小企業特例を使えば30万円未満まで可能)

具体的な仕訳事例

ケースA:ローパーティションを5万円で購入した

金額が10万円未満のため、消耗品として処理します。

借方金額貸方金額
消耗品費50,000普通預金50,000

ケースB:会議室を作るため、固定式パーティション工事を行った(総額100万円)

天井と床に固定するタイプのため「建物附属設備」とし、資産計上して減価償却を行います。

借方金額貸方金額
建物附属設備1,000,000普通預金1,000,000

※摘要:会議室用可動間仕切り設置工事

よくある質問:撤去費用の勘定科目は?

レイアウト変更などでパーティションを撤去した場合の費用は、通常「雑費」または「修繕費」として処理します。

ただし、資産計上していたパーティションを廃棄する場合は、まだ償却していない残存簿価を「固定資産除却損」として計上する必要があるため注意しましょう。

まとめ

パーティションの勘定科目は、その構造が「家具(備品)」に近いか、「建物の一部」に近いかで判断します。

  • 簡易的・移動簡単 = 工具器具備品(3年)
  • 工事固定・移動可能 = 建物附属設備(15年)

金額が大きい工事になる場合は、見積書の明細を確認し、施工業者に「これは可動間仕切り(15年)の仕様ですか?」と確認しておくと、税務申告がスムーズになります。

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この記事を書いた人

会計・経理アドバイザー / 中小企業支援コンサルタント

経歴
大学卒業後、会計事務所で10年以上勤務し、法人・個人事業主の会計処理、税務申告、経理業務改善を多数経験。特に「勘定科目の設定・運用」に関して、企業規模や業種ごとに最適化したアドバイスを提供してきた。現在は独立し、経理の効率化や会計初心者向けの研修も実施。

専門分野
・勘定科目の選定・運用ルール作り
・会計ソフト導入と科目設定支援
・経理担当者の教育・研修
・中小企業の経営数字可視化サポート

サイトの目的
「勘定科目は難しい…」という声をなくし、初心者でも迷わず正しい科目選択ができるようにすること。具体例・図解・テンプレートを用いて、経理や会計業務の現場で即使える情報を発信しています。

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