受取利息の勘定科目と仕訳|源泉徴収15.315%・消費税・未収利息の処理【2026年】

この記事でわかること

  • 受取利息の勘定科目は営業外収益。P/Lのどこに載るか、対象になる利息・ならない利息の線引き
  • 源泉徴収は法人15.315%・個人20.315%と税率が違う理由(法人の住民税利子割は2016年に廃止)
  • 手取りだけ記帳する純額主義だと所得税額控除を取り損ねるという、法人が最も損をするポイント
  • 個人事業主の預金利息は事業所得ではなく利子所得。P/Lの受取利息に計上しない(事業主借)落とし穴
  • 受取利息は消費税が非課税。ただし非課税売上として課税売上割合を下げる影響
  • 決算をまたぐときの未収利息(未収収益)の計上と、翌期首の再振替(洗替)まで

公的情報源: 国税庁タックスアンサー No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)No.5760 所得税額控除No.1300 所得の区分のあらまし復興特別所得税のあらまし

受取利息は「金額は小さいのに、源泉税・所得税額控除・消費税区分で意外と手が止まる」科目です。入金明細の取り込みから源泉税の内訳・非課税区分の自動仕訳までまとめて処理したい場合は、会計ソフトの活用も選択肢になります。

結論を先に書きます

受取利息の勘定科目は「受取利息」=営業外収益です。損益計算書では、本業のもうけ(営業利益)の下、経常利益を計算する区分に載ります。銀行預金の利息、取引先や関係会社への貸付金の利息、国債などの利子がここに集まります。

つまずくのは科目名ではなく、その裏で差し引かれる源泉税と、消費税・所得区分の扱いです。ポイントは3つ。①法人は所得税等15.315%が源泉徴収され、個人は住民税利子割を含めて20.315%と税率が違うこと。②法人は手取りだけでなく源泉税額も帳簿に載せる「総額主義」で書かないと、所得税額控除を取り損ねて損をすること。③受取利息は消費税が非課税で、しかも非課税売上として課税売上割合を下げる点です。

この記事の要点
  • 勘定科目は受取利息(営業外収益)。預金利息・貸付金利息・公社債利子が対象
  • 源泉徴収は法人15.315%/個人20.315%。差は住民税利子割5%(法人は2016年に廃止)
  • 法人は総額主義で記帳。源泉税を「法人税等(仮払)」で計上しないと所得税額控除が使えない
  • 個人事業主の事業用口座の預金利息は利子所得=源泉分離課税で完結。P/Lの受取利息にせず事業主借で処理
  • 消費税は非課税。ただし非課税売上で課税売上割合を押し下げる
  • 期をまたぐ利息は決算で未収収益に計上し、翌期首に再振替する

目次

受取利息とは?営業外収益に入る勘定科目

受取利息は、預けたお金や貸したお金に対して受け取る利息を処理する勘定科目です。損益計算書では営業外収益に区分されます。本業の売上(営業収益)ではなく、財務活動から生まれる副次的な収益という位置づけです。

会社が事業でお金を運用したり、余剰資金を預けたりすれば自然に発生します。金額は小さいことが多いものの、源泉税・所得税額控除・消費税区分がからむため、処理の正確さが問われる科目です。

受取利息に含まれるもの・含まれないもの

「利息」と名前がついても、勘定科目が受取利息になるとは限りません。まず対象範囲を押さえてください。

内容勘定科目補足
普通預金・定期預金の利息受取利息源泉徴収あり(法人15.315%)
取引先・関係会社への貸付金の利息受取利息源泉徴収なし(相手が法人等の場合)
国債・社債などの公社債の利子受取利息(または有価証券利息)源泉徴収あり
株式の配当金受取配当金利息ではない(別科目)
遅延損害金・延滞利息の受取雑収入 など金銭債権の利息ではない
手形の割引料支払利息・手形売却損支払側の科目

配当金は「受取配当金」で受取利息とは別科目です。混同すると消費税区分(配当金も非課税ですが所得区分が違う)や源泉税率の判定を誤ります。勘定科目の用語集もあわせて確認すると、科目の切り分けがはっきりします。

預金利息と貸付金の利息は源泉徴収の有無が違う

同じ受取利息でも、預金利息は源泉徴収され、貸付金の利息(相手が法人)は源泉徴収されないという決定的な違いがあります。

  • 預金利息・公社債利子 … 金融機関が支払時に所得税等を天引き。手取りが振り込まれる。
  • 法人間の貸付金利息 … 源泉徴収の対象外。約定した利息の総額をそのまま受け取り、受取利息に計上する。

この違いを知らないと、貸付金の利息にも源泉税があるものと勘違いして仕訳を作ってしまいます。逆に預金利息を総額で受け取ったものと誤解すると、後述の所得税額控除を取り逃します。

受取利息の源泉徴収|法人15.315%・個人20.315%の違い

受取利息(預金利息)を受け取るとき、支払側が税金を天引きします。この税率が法人は15.315%、個人は20.315%と異なります。同じ利息なのになぜ差が出るのか、ここを理解しておくと仕訳のミスが激減します。

源泉徴収税率の内訳(法人・個人の比較)

区分合計税率所得税+復興特別所得税住民税利子割
法人15.315%15.315%なし(2016年に廃止)
個人20.315%15.315%5%

差の正体は住民税利子割5%です。かつては法人・個人ともに利子割が源泉徴収されていましたが、法人が受け取る利子等については2016年(平成28年)1月1日以後、利子割が廃止されました。そのため現在、法人の預金利息から引かれるのは所得税・復興特別所得税の15.315%だけです。

復興特別所得税は、基準となる所得税額に2.1%を上乗せするものです。所得税15%×1.021=15.315%という内訳になります(国税庁 復興特別所得税のあらまし)。「15.315」という半端な数字はこの復興特別所得税の上乗せから来ています。

個人事業主の場合は、これに住民税利子割5%が加わって20.315%になります。事業用の口座であっても、預金利息にかかる税率は個人の税率で計算される点に注意してください。

受取利息の仕訳例|法人は総額主義で記帳する

法人の受取利息は、手取り額だけでなく源泉徴収された税額も帳簿に載せる「総額主義」で仕訳します。天引き後の入金額だけを書く「純額主義」でも利益は同じになりますが、法人では純額主義だと大きな損をします(理由は次項)。

普通預金に利息10,000円が発生し、源泉所得税等1,531円が差し引かれて8,469円が入金されたケースの仕訳です(10,000円×15.315%=1,531円・円未満切捨て)。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金8,469受取利息10,000
仮払法人税等1,531

摘要:○○銀行 普通預金利息(源泉所得税等15.315%控除後入金)

借方の源泉税は「仮払法人税等」または「法人税等」「租税公課(後で調整)」などで処理します。会計ソフトや会社の運用によって科目名は変わりますが、源泉税額を独立した勘定で残しておくという点が重要です。この1,531円が、法人税の申告で戻ってくる(控除される)金額になります。

純額主義だと所得税額控除を取り損ねる

もし手取りの8,469円だけを「普通預金/受取利息」で記帳すると、帳簿上は源泉税1,531円がどこにも残りません。そうすると、法人税の計算で使える所得税額控除(源泉徴収された所得税を法人税から差し引く制度)の金額を集計できず、実質的に二重課税のまま取り戻せなくなるおそれがあります。

所得税額控除は、法人が受け取る利子等について源泉徴収された所得税を、法人税額から控除できる制度です(国税庁タックスアンサー No.5760 所得税額控除)。控除を受けるには、源泉税額を正しく把握し申告書に記載する必要があります。だからこそ、法人の受取利息は総額主義で「源泉税をいくら引かれたか」を帳簿に残すのが原則になります。

利息が数百円・数千円と少額でも、源泉税を積み上げれば決算では無視できない金額になります。「小さいから純額でいい」と流さないのが、取りこぼしを防ぐコツです。

源泉税の内訳を1件ずつ手入力するのは手間がかかり、所得税額控除の集計漏れの原因にもなります。銀行明細を自動取得し、利息の総額・源泉税・非課税区分まで自動で仕訳へ振り分ければ、少額でも取りこぼしを防げます。

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個人事業主の受取利息は「利子所得」|事業所得にしない

ここが個人事業主で最も間違えやすいポイントです。事業用の口座についた預金利息は、事業所得ではなく「利子所得」にあたります。そして預貯金の利子は源泉分離課税で、天引きだけで納税が完結し確定申告に含めないのが原則です(国税庁タックスアンサー No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得))。

そのため、事業の損益計算書に「受取利息」として計上してはいけません。帳簿には入金額だけを事業主借で記帳します。事業のもうけ(事業所得)とは切り離す、というのが個人事業主の鉄則です。

事業用口座に利息10,000円が発生し、20.315%(所得税等15.315%+住民税利子割5%)が差し引かれて7,969円が入金されたケースの仕訳です。

借方科目金額貸方科目金額
普通預金7,969事業主借7,969

摘要:事業用口座 預金利息(利子所得・源泉分離課税で完結)

法人と違い、個人事業主は源泉徴収された税額を所得税額控除できません(源泉分離で課税が完結しているため)。したがって源泉税を分けて記帳する必要がなく、入金額をそのまま事業主借に振り替えるだけで完了します。ここが法人の総額主義とはっきり分かれるところです。

事業所得の売上に「受取利息」を混ぜてしまうと、所得区分を誤り、消費税の課税判定にも影響します。個人の預金利息は「事業のもうけではない」と覚えておくと安全です。

受取利息と消費税|非課税売上が課税売上割合を下げる

受取利息は消費税が非課税です。利息は「モノやサービスの対価」ではなく、資金の融通(貸付)に対する対価であり、消費税法上の非課税取引に位置づけられているためです。預金利息も貸付金の利息も、同じく非課税です。

見落とされがちなのは、非課税=関係ない、ではないという点です。受取利息は「非課税売上」として課税売上割合の計算に影響します。

消費税区分該当影響
課税売上該当しない
非課税売上受取利息が該当課税売上割合の分母を増やす
不課税(対象外)該当しない

課税売上割合は「課税売上 ÷(課税売上+非課税売上)」で計算します。受取利息が非課税売上として分母に加わると、課税売上割合がわずかに下がり、仕入税額控除の金額に影響することがあります。通常の中小企業では利息が少額のため影響は軽微ですが、原則課税で計算する事業者は、受取利息を非課税売上として正しく区分しておく必要があります。

会計ソフトでは受取利息の科目に非課税区分を初期設定しておくと、消費税集計が自動で正しくなります。手入力で課税区分を誤ると、課税売上割合や納付税額がずれる原因になります。

決算時の未収利息(未収収益)の処理

利息は日割りで発生しますが、実際の入金は満期や利払日にまとまって行われます。そのため決算日をまたぐ利息は、当期分を「未収収益(未収利息)」として計上するのが発生主義の原則です。特に取引先・関係会社への貸付金の利息で問題になります。

たとえば貸付金の利息で、当期に帰属する未収分が30,000円あるケースの決算整理仕訳です。

借方科目金額貸方科目金額
未収収益30,000受取利息30,000

摘要:○○社 貸付金 当期未収利息(発生主義による期間按分)

そして翌期首には同じ仕訳を逆にして戻す「再振替(洗替)」を行います。これをしないと、翌期に実際の利息が入金されたときに二重計上になってしまいます。

借方科目金額貸方科目金額
受取利息30,000未収収益30,000

摘要:期首 未収利息の再振替(前期決算整理の戻し)

なお、預金利息については、中小企業では入金時に受取利息を計上する処理(現金主義に近い実務)が広く行われています。金額が僅少で継続適用していれば実務上問題になりにくい一方、貸付金利息のように金額が大きいものは、未収計上をきちんと行うのが原則です。

受取利息の処理でよくある3つの誤り

現場で繰り返し出てくる誤りは、大きく3つに集約されます。どれも科目の裏にある源泉税・所得区分の理解不足から起きます。

  1. 法人が手取りだけ記帳(純額主義)→ 所得税額控除を取り損ねる
  2. 個人事業主が預金利息を「受取利息」で事業所得に計上(本当は利子所得)
  3. 受取利息を課税売上・不課税で区分 → 非課税売上の集計が狂う

いずれも「利益額」自体は大きく変わらないように見えて、税額(法人税・消費税)や所得区分で不利益や誤りが生じるのが怖いところです。特に法人の所得税額控除の取りこぼしは、放置すると毎期繰り返し損をします。

支払う側の利息(借入金の利息)の処理は、受取利息と対になる論点です。相手方の科目や源泉の考え方を対比して押さえたい場合は、借入金の勘定科目と仕訳もあわせて確認してください。

よくある質問

受取利息の勘定科目・仕訳について、現場で頻出する6問を整理します。

Q1:受取利息の勘定科目は何区分に入りますか?

受取利息は損益計算書の営業外収益に区分される勘定科目です。本業の売上(営業収益)ではなく、預金や貸付金といった財務活動から生まれる副次的な収益として扱います。経常利益を計算する区分に含まれます。株式の配当は「受取配当金」で別科目になる点に注意してください。

Q2:法人の受取利息の源泉徴収税率は何%ですか?

法人が受け取る預金利息の源泉徴収税率は15.315%です。所得税15%に復興特別所得税(所得税額の2.1%)を上乗せした税率で、住民税利子割はかかりません。かつて課されていた法人の利子割5%は、2016年(平成28年)1月1日以後の利子等について廃止されています。個人の場合はこれに住民税利子割5%が加わり20.315%です。

Q3:受取利息は総額主義と純額主義のどちらで仕訳しますか?

法人は総額主義が原則です。手取り額だけを記帳する純額主義では、源泉徴収された所得税額が帳簿に残らず、法人税の所得税額控除を集計できなくなります。「普通預金(手取り)/仮払法人税等(源泉税)/受取利息(総額)」の形で、源泉税を独立した勘定で残してください。個人事業主の預金利息は源泉分離課税で完結するため、入金額のみを事業主借で記帳します。

Q4:個人事業主の事業用口座の預金利息はどう仕訳しますか?

事業用口座についた預金利息は事業所得ではなく利子所得で、源泉分離課税により天引きだけで納税が完結します。そのため事業の損益計算書に「受取利息」として計上せず、入金額を事業主借で処理します(借方:普通預金/貸方:事業主借)。個人事業主は源泉税を所得税額控除できないため、源泉分を分けて記帳する必要はありません。

Q5:受取利息に消費税はかかりますか?

受取利息は消費税が非課税です。利息は資金の貸付に対する対価であり、消費税法上の非課税取引に該当します。ただし非課税というだけでなく「非課税売上」として課税売上割合の分母に加わるため、原則課税の事業者では仕入税額控除の金額にわずかに影響します。会計ソフトでは受取利息の科目に非課税区分を設定しておくと集計が正しくなります。

Q6:決算をまたぐ利息(未収利息)はどう処理しますか?

発生主義により、当期に帰属する未収分は決算で未収収益に計上します(借方:未収収益/貸方:受取利息)。翌期首には同じ仕訳を逆にして戻す再振替(洗替)を行い、実際の入金時の二重計上を防ぎます。特に貸付金の利息など金額が大きいものは必須です。少額の預金利息は入金時計上の実務も継続適用を条件に広く行われています。

まとめ:受取利息は「科目より裏の税金」で差がつく

受取利息の勘定科目と仕訳を、最後に整理します。

この記事のまとめ
  • 勘定科目は受取利息=営業外収益。預金利息・貸付金利息・公社債利子が対象、配当金は別科目
  • 源泉徴収は法人15.315%/個人20.315%。差は住民税利子割5%(法人は2016年廃止)
  • 法人は総額主義で源泉税を「仮払法人税等」に計上し、所得税額控除を取りこぼさない
  • 個人事業主の預金利息は利子所得(源泉分離で完結)。P/Lに載せず事業主借で処理
  • 消費税は非課税非課税売上として課税売上割合を下げる影響に注意
  • 期をまたぐ利息は決算で未収収益に計上し、翌期首に再振替する

受取利息は金額こそ小さいものの、源泉税の総額主義・所得区分・消費税の非課税区分という3つの論点で処理の質が問われます。特に法人の所得税額控除の取りこぼしと、個人事業主の所得区分の誤りは、毎期繰り返すと積み上がっていく損失です。

科目名を覚えるだけでなく、「その裏でどんな税金が動いているか」を押さえておけば、少額の利息でも正しく処理できます。関連する科目の一覧や、確定申告での入力箇所を確認したい場合は、freee確定申告の勘定科目一覧もあわせて確認してください。

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免責事項

※本記事は国税庁の公開情報をもとに整理した一般的な情報です。会計処理・税務処理は事業形態・契約内容・取引の実態によって異なる場合があります。個別の判断は、所轄税務署の相談窓口または顧問税理士など、必要に応じて専門家にご相談ください。


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この記事を書いた人

会計・経理アドバイザー / 中小企業支援コンサルタント

経歴
大学卒業後、会計事務所で10年以上勤務し、法人・個人事業主の会計処理、税務申告、経理業務改善を多数経験。特に「勘定科目の設定・運用」に関して、企業規模や業種ごとに最適化したアドバイスを提供してきた。現在は独立し、経理の効率化や会計初心者向けの研修も実施。

専門分野
・勘定科目の選定・運用ルール作り
・会計ソフト導入と科目設定支援
・経理担当者の教育・研修
・中小企業の経営数字可視化サポート

サイトの目的
「勘定科目は難しい…」という声をなくし、初心者でも迷わず正しい科目選択ができるようにすること。具体例・図解・テンプレートを用いて、経理や会計業務の現場で即使える情報を発信しています。

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