消費税及び地方消費税の勘定科目・仕訳|税込は租税公課・税抜は未払消費税等【納付・中間・還付】

消費税及び地方消費税の勘定科目は、税込経理なら納付時に「租税公課」、税抜経理なら決算で立てた「未払消費税等」を取り崩して処理します。消費税及び地方消費税は国税7.8%と地方消費税2.2%を合算した納付書上の税目名で、選んだ経理方式によって仕訳が変わります。

この記事でわかること

  • 「消費税及び地方消費税」が何を指すか=国税7.8%+地方消費税2.2%を合算した納付書上の税目名
  • 納付時の勘定科目は税込経理=租税公課/税抜経理=未払消費税等と経理方式で決まる
  • 確定申告・納付・中間納付・還付のケース別の仕訳例(そのまま転記できる形)
  • 税込経理で納付額を租税公課として損金算入できる範囲と、決算で未払計上する方法
  • 科目を取り違えると起きる二重費用・過大控除の失敗と防ぎ方

公的情報源: 国税庁「No.6303 消費税及び地方消費税の税率」(参照)/国税庁「No.6375 税抜経理方式又は税込経理方式による経理処理」(参照)/いずれも2026年7月時点

結論を先に書きます

納付書に「消費税及び地方消費税」と書かれた税額の勘定科目は、税込経理なら「租税公課」、税抜経理なら「未払消費税等」です。使う科目は税金の種類ではなく、採用している経理方式で決まります。

「消費税」と「消費税及び地方消費税」は別物ではありません。後者は、国に納める消費税と地方に納める地方消費税をまとめた、納付書・申告書に載る正式な税目名です。まとめて税務署へ納めるため、勘定科目もひとつで処理します。

この記事の要点
  • 科目は税込=租税公課/税抜=未払消費税等。経理方式で使い分ける
  • 税込経理は納付額を租税公課で費用計上し、原則その期の損金にできる
  • 税抜経理は決算で立てた未払消費税等を取り崩すだけで、納付は費用にならない
  • 中間納付・還付も経理方式でルートが分かれる(後述の仕訳例)
  • 仮払・仮受消費税を含む科目の全体像は消費税の勘定科目の記事で解説

目次

消費税及び地方消費税とは

消費税及び地方消費税とは、国税の消費税と地方税の地方消費税を合算した、納付書上の税目の正式名称です。別々に納めるのではなく、税務署へまとめて申告・納付します。

標準税率10%の内訳は、国税である消費税が7.8%、地方消費税が2.2%です。軽減税率8%の場合は、消費税6.24%・地方消費税1.76%に分かれます(国税庁「No.6303」2026年7月時点)。

消費税10%・8%の内訳

税率区分消費税(国税)地方消費税合計
標準税率7.8%2.2%10%
軽減税率6.24%1.76%8%

地方消費税は、国税である消費税額に一定割合(22/78)を掛けて算出されます。計算も申告も一体で行うため、会計処理でも「消費税及び地方消費税」を分けずにひとつの科目で扱うのが実務の基本です。納付書に印字される税目名がそのまま検索されるため、この記事名も同じ表記にしています。

消費税及び地方消費税の勘定科目は経理方式で決まる

勘定科目を決める前に確認すべきは、自社が税込経理と税抜経理のどちらを採用しているかです。ここが決まれば、納付時の科目は自動的に定まります。

消費税及び地方消費税の納付時の勘定科目が、税込経理では租税公課で損金算入でき、税抜経理では未払消費税等を取り崩すだけで費用にならないことを対比した比較図
図:消費税及び地方消費税の納付科目は、税込=租税公課、税抜=未払消費税等と経理方式で分かれる。

税込経理は、消費税を本体価格に含めて記帳する方式です。納付する消費税及び地方消費税は「租税公課」で費用計上します。免税事業者はこの税込経理しか選べません。

税抜経理は、消費税を本体と分けて仮払消費税・仮受消費税で記帳する方式です。納付額は決算で立てた「未払消費税等」を取り崩すだけなので、納付そのものは費用になりません

経理方式別の納付科目

経理方式納付時の勘定科目費用になるか
税込経理租税公課なる(損金算入できる)
税抜経理未払消費税等ならない(負債の減少)

「租税公課」を使えるのは税込経理のときだけです。税抜経理で租税公課を使うと、仮払・仮受で処理した消費税を二重に費用計上してしまうため注意してください。仮払・仮受消費税を含む科目全体の役割は、消費税の勘定科目(仮払・仮受・未払消費税等の仕訳)で詳しく整理しています。

消費税及び地方消費税の仕訳例【申告・納付・還付】

ここからは、実務でそのまま転記できる仕訳例を経理方式別に並べます。金額はすべて設例です。

納付書の消費税及び地方消費税を、税込経理は租税公課、税抜経理は未払消費税等、中間納付や還付は仮払金・未収消費税等へと振り分ける判定フロー図
図:納付書の消費税及び地方消費税は、経理方式と場面で使う科目が分かれる。

税込経理:納付時の仕訳

状況:確定した消費税及び地方消費税30万円を普通預金から納付した(税込経理)。

税込経理では、納付額をそのまま「租税公課」で費用計上します。

借方金額貸方金額
租税公課300,000普通預金300,000

原則として、申告書を提出した日の属する事業年度に損金算入します。決算で先に費用化したい場合は、次のように未払計上する方法もあります。

借方金額貸方金額
租税公課300,000未払消費税等300,000

この場合、翌期の納付時は「未払消費税等 300,000 / 普通預金 300,000」で取り崩します。

税抜経理:決算と納付の仕訳

状況:期末に仮受消費税50万円・仮払消費税20万円が残り、差額30万円を納付する(税抜経理)。

決算で仮受と仮払を相殺し、差額を「未払消費税等」で確定させます。

借方金額貸方金額
仮受消費税500,000仮払消費税200,000
未払消費税等300,000

納付時は、立てた未払消費税等を取り崩すだけです。租税公課は使いません

借方金額貸方金額
未払消費税等300,000普通預金300,000

中間納付の仕訳

直前の課税期間の確定消費税額(国税分)が48万円を超えると、中間申告・納付が必要です。中間納付も経理方式でルートが分かれます。

経理方式中間納付時の借方貸方
税込経理租税公課(または仮払金)普通預金
税抜経理仮払金(または仮払消費税等)普通預金

税抜経理で仮払金に立てた中間納付額は、決算の確定時に未払消費税等と相殺します。

還付されるときの仕訳

設備投資などで仮払が仮受を上回ると、消費税及び地方消費税が還付されます。受け取り時の科目も経理方式で変わります。

経理方式還付金を受け取ったときの貸方
税込経理雑収入(益金に算入)
税抜経理未収消費税等(決算で計上・入金時に取り崩す)

税抜経理では、決算で「未収消費税等 300,000 / 仮払消費税(差額)」と資産計上し、入金時に「普通預金 / 未収消費税等」で取り崩します。詳しい還付の流れは消費税の勘定科目の記事にまとめています。

租税公課で落とせる?損金算入の考え方

税込経理で納めた消費税及び地方消費税は、租税公課として損金に算入できます。事業の必要経費として認められる税金だからです。

一方、法人税・住民税・所得税は租税公課で処理しても損金にはなりません。租税公課で落とせる税金と落とせない税金の線引きは、「租税公課」で落とせる税金と法人税等の違いで整理しています。

なお、税抜経理を選んでいる場合は、納付額を租税公課で費用にできません。仮受消費税という「預かったお金」を国に渡しているだけで、費用の発生ではないためです。ここを混同すると利益が二重に圧縮されるので気をつけてください。

消費税及び地方消費税の処理で誤りやすい点

科目そのものより、経理方式との組み合わせで間違えるケースが目立ちます。最後に、つまずきやすいポイントを整理します。

ありがちな失敗と防ぎ方
  • 税抜経理なのに納付を租税公課で費用計上→仮払・仮受と二重費用。未払消費税等の取り崩しに直す
  • 税込経理で決算未払計上と納付時費用を両方→二重計上。どちらか一方で処理する
  • 中間納付を全額そのまま費用→確定時に相殺せず費用が過大に。仮払金で受けて精算する
  • 還付金を全額雑収入(税抜経理)→未収消費税等の取り崩しにする

会計ソフトを使う場合も、経理方式の設定と税区分が正しいかを最初に確認するのが確実です。弥生会計での消費税の入力手順は弥生会計の消費税仕訳(税抜・税込の入力方法)で解説しています。インボイス未登録先からの仕入れがある場合は、インボイス制度の経過措置(80%控除)もあわせて確認してください。

よくある質問

消費税及び地方消費税の勘定科目は何ですか?

税込経理なら納付時に「租税公課」、税抜経理なら決算で計上した「未払消費税等」を取り崩して処理します。使う科目は税金の種類ではなく、採用している経理方式で決まります。

「消費税及び地方消費税」と「消費税」は別のものですか?

同じものを指します。「消費税及び地方消費税」は、国税の消費税(標準税率で7.8%)と地方消費税(2.2%)を合算した、納付書や申告書に記載される正式な税目名です。まとめて税務署に納付します。

消費税の納付は租税公課として経費になりますか?

税込経理なら租税公課として損金に算入できます。税抜経理の場合は費用にならず、決算で立てた未払消費税等を取り崩すだけの処理になります。法人税・住民税・所得税は租税公課で処理しても損金にはなりません。

中間納付した消費税及び地方消費税はどの勘定科目ですか?

税込経理は租税公課(または仮払金)、税抜経理は仮払金(仮払消費税等)で処理します。中間納付額は確定申告時に確定税額と相殺するため、いったん仮払金で受けて精算する方法が管理しやすいです。

消費税が還付されたときの勘定科目は?

税込経理は「雑収入」、税抜経理は「未収消費税等」で処理します。税抜経理では決算で未収消費税等を計上しておき、入金時に取り崩します。還付加算金が付く場合は雑収入で受けます。

まとめ

消費税及び地方消費税の会計処理は、経理方式さえ押さえれば迷いません。最後に要点を整理します。

この記事のまとめ
  • 「消費税及び地方消費税」は国税7.8%+地方消費税2.2%を合算した納付書上の税目名
  • 納付時の科目は税込経理=租税公課/税抜経理=未払消費税等
  • 税込経理は納付額を租税公課で損金算入、税抜経理は費用にならない
  • 中間納付・還付も経理方式でルートが分かれる
  • 仮払・仮受を含む全体像は消費税の勘定科目の記事で確認する

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免責事項

※本記事は一般的な会計処理の解説です。個別の税務判断は、最新の国税庁情報をご確認のうえ、必要に応じて税理士等の専門家にご相談ください。


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この記事を書いた人

会計事務所で10年以上、法人や個人事業主の帳簿づけと税務申告の手伝いをしてきたTanakaです。決算が近づくと、経営者から「この支払いはどの科目で処理すればいいですか」という電話を何度も受けました。答えは業種や会社の規模で変わります。そこを一つずつ、相手に合わせて説明してきました。

独立してからは、中小企業の経理担当者向けの研修や、freee・マネーフォワード・弥生の科目設定の相談にも応じています。教科書の説明は抽象的で、現場では「とりあえず雑費」で片づけてしまうことも少なくありません。このサイトでは、勘定科目の選び方の判断軸を、具体例をそえて整理しています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご相談ください。

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