補助金の消費税は不課税|仕入控除税額の返還と計算例

補助金の消費税は不課税

補助金の消費税は不課税です(消費税法基本通達5-2-15・国税庁 No.6157)。受け取っても課税売上にならず、課税売上割合にも入れません。補助金で買った設備の消費税は仕入税額控除できます(通達11-2-8)。消費税込みで交付を受けて控除したときは、その分を交付元へ返還します。

この記事でわかること

  • 補助金が不課税になる根拠(通達5-2-15の本文と雇用調整助成金の注)と、課税売上割合での扱い
  • 補助金で買った設備・経費の消費税が仕入税額控除できる理由(通達11-2-8「金銭の源泉を問わない」)
  • 消費税込みの補助金で仕入控除税額の返還が生じる仕組みと、報告から納付までの流れ
  • 返還が0円になる5つのケース(免税・簡易課税・2割特例・特定収入割合5%超・非課税売上のみに要するもの)
  • 全額控除・個別対応方式・一括比例配分方式ごとの返還額の計算例と端数処理
  • 受取・設備購入・返還確定・納付の税区分つき仕訳例

公的情報源: 国税庁 消費税法基本通達 第5章第2節 5-2-15(参照)/第11章第2節 11-2-8(参照)/タックスアンサー No.6157「課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」(参照)/経済産業省「補助事業事務処理マニュアル」令和3年1月(参照)

先に答え

国や自治体から受け取る補助金は、消費税の不課税(対象外)です。商品やサービスの代金ではなく、政策目的のために渡されるお金だからです。

ただし、補助金で買った設備や経費の消費税は、ふだんどおり仕入税額控除できます。消費税込みの金額で補助を受けて控除もすると、同じ消費税を二重に受け取る形です。そこで、控除した分を交付元へ返す手続きを交付要綱が定めています。

この記事の要点

  • 補助金は不課税。課税売上割合の分母にも分子にも入れない(通達5-2-15・No.6157(2)・No.6209・令和8年4月1日現在法令等)
  • 補助金で買った設備・経費の消費税は控除できる。支払いの財源が補助金でも課税仕入れになる(通達11-2-8)
  • 消費税を補助対象経費に含めて交付を受け、確定申告で控除した場合は仕入控除税額を報告して返還する(補助事業事務処理マニュアル)
  • 返還が0円になるのは、免税事業者・簡易課税・2割特例・公益法人等で特定収入割合5%超・非課税売上のみに要する課税仕入れとして申告した場合。0円でも報告は要る(秋田県・東京都の手引)
  • 全額控除なら補助金額×10/110。一括比例配分方式は課税売上割合を掛け、個別対応方式は用途区分ごとに計算する

目次

補助金の消費税区分と通達5-2-15の考え方

補助金の消費税区分とは、受け取った補助金を課税・非課税・不課税のどれで処理するかの判定です。消費税がかかるのは、事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡・貸付け・役務の提供だけです。補助金は何かを売った代金ではないため、課税の対象から外れます。

根拠は消費税法基本通達5-2-15で、本文は次のとおりです。

事業者が国又は地方公共団体等から受ける奨励金若しくは助成金等又は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第2条第1項《定義》に掲げる補助金等のように、特定の政策目的の実現を図るための給付金は、資産の譲渡等の対価に該当しないことに留意する。

国税庁 No.6157「課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」(令和8年4月1日現在法令等)も、(2)に「国または地方公共団体からの補助金や助成金等」を挙げています。会計ソフトで選ぶ税区分は「対象外」。

雇用調整助成金も不課税|経費の支出が前提でも対価にならない

通達5-2-15には注があり、雇用調整助成金・職業転換給付金・障害者の雇用に関する助成金が例に出ています。これらは休業手当や賃金を払うことを前提に申請するものですが、それでも「資産の譲渡等の対価に該当しない」と明記されています。

経費の補てんとして受け取る助成金も、支払いと紐づいた給付金も、区分は同じ不課税です。

課税売上割合の分母にも入れない|「非課税売上」と書かれた資料に注意

不課税と非課税は、どちらも消費税がかからない点は同じです。違うのは課税売上割合の計算で、国税庁 No.6209は「不課税取引は、そもそも消費税の適用の対象にならない取引ですから、分母にも分子にも算入しません」としています。非課税売上は分母に入ります。

交付元の説明資料には、補助金を「非課税売上」と書いたものもあります(秋田県の参考資料)。そのまま会計ソフトで「非課税売上」を選ぶと、課税売上割合が下がり、控除できる消費税が減ることがあります。税区分は対象外(不課税)で入力します。

名前が補助金でも課税になる受取り

国や自治体から受け取るお金でも、調査業務や事業の委託料のように、役務の提供の対価であれば課税売上です。判定は名目でなく中身で行います。交付決定通知書と委託契約書のどちらで受け取ったかが、最初の手がかりになります。

受け取ったお金の消費税区分を決める判定フロー

  • 国・自治体・公的機関から受け取ったお金は、何の対価か
  • STEP1交付決定通知書で受け取る補助金・助成金・奨励金か特定の政策目的の給付金 → 不課税(通達5-2-15・No.6157(2))
  • STEP2休業手当・賃金の支払いが前提の助成金か雇用調整助成金など → それでも不課税(通達5-2-15の注)
  • STEP3委託契約で業務を請け負った代金か調査・運営などの委託料 → 役務の対価として 課税売上10%
  • STEP4会計ソフトの税区分を選ぶ補助金は「対象外」。非課税売上を選ぶと課税売上割合が下がる(No.6209)

図:交付決定で受け取る補助金は不課税。委託契約の代金だけが課税売上になる。

補助金で買った設備・経費の仕入税額控除(通達11-2-8)

補助金で買った設備や支払った経費の消費税は、仕入税額控除の対象です。消費税法基本通達11-2-8は、課税仕入れに当たるかどうかは「資産の譲受け等のために支出した金銭の源泉を問わない」と定めています。

同じ通達は「保険金、補助金、損害賠償金等を資産の譲受け等に充てた場合であっても」、課税仕入れなら控除が適用されると続けます。収入側が不課税かどうかは、支出側の判定に影響しません。

補助事業で動くお金の消費税区分(2026年10月時点)

取引消費税区分会計ソフトの税区分根拠
補助金・助成金の受取り不課税対象外通達5-2-15・No.6157
補助金で買った機械・ソフトウエア課税仕入れ10%課税仕入10%通達11-2-8
補助対象の外注費・広告費課税仕入れ10%課税仕入10%通達11-2-8
補助対象の人件費(給与)不課税対象外給与は対価を得て行う取引でない
補助金の一部を返還した不課税対象外補助金の返還は資産の譲渡等の対価でない

「補助金が不課税だから、買った設備の消費税も控除できない」と考えると、控除を取りこぼすことになります。収入側と支出側は別々に判定してください。補助金の勘定科目(雑収入)と、設備に充てたときの圧縮記帳は、補助金・助成金の勘定科目と圧縮記帳の仕訳で整理しています。

消費税込みの補助金で返還が生じる仕組み

補助金の返還とは、補助金で払った消費税を確定申告で控除した場合に、その控除額に見合う補助金を交付元へ返す手続きです。税務署に追加で消費税を納めるのとは違います。返す先は補助金の交付元です。

経済産業省の「補助事業事務処理マニュアル」(令和3年1月)は、仕組みを次の設例で説明しています。

  • 預かった消費税 1,000万円、支払った消費税 700万円で確定申告した
  • 支払った700万円のうち200万円は、補助金で賄った経費の消費税だった
  • 200万円は補助金として受け取っているのに、控除にも使われている

補助金で受け取った消費税分を控除にも使うと、その200万円は事業者が負担していない消費税になります。この重複を戻すのが「補助金に係る消費税仕入控除税額」の返還です。

補助対象経費を税抜で計上した補助金は返還が生じない

返還が問題になるのは、消費税を補助対象経費に含めて交付を受けた場合だけです。同じマニュアルは「補助事業において支払う消費税を補助対象として計上する場合には、補助金に係る仕入控除税額が発生する可能性」があると書いています。

補助対象経費を税抜で計上する制度なら、補助金に消費税分が入っていないので重複は起きません。公募要領・交付要綱の「補助対象経費」の欄で、消費税を含めるかどうかを最初に確認します。

報告から返還までの流れ

消費税込みで交付を受けた補助金の手続き(補助事業事務処理マニュアルの流れ)

順手続き時期の目安見るところ
1公募要領・交付要綱で消費税が補助対象か確認申請前「補助対象経費」「仕入控除税額の報告」の条項
2実績報告書を提出補助事業の完了後控除額がこの時点で明らかなら減額して報告
3消費税の確定申告事業年度が4月〜3月なら翌年5月申告方式・課税売上割合・控除額
4仕入控除税額報告書を提出確定申告の後すみやかに0円でも提出を求める制度がある
5返還命令・納入通知書で納付交付元の通知後返還額と納期限

マニュアルは「実績報告書作成時に補助金に係る消費税の仕入控除(又は還付)税額が明らかな場合は、その分を減額して報告してください」としています。確定申告より先に実績報告をするのが普通なので、多くは確定申告の後に報告と返還が来る流れです。

返還額が0円になるケースと報告の要否

返還が0円になるのは、補助金で払った消費税を実際には控除していないか、別の仕組ですでに控除を減らしている場合です。秋田県の参考資料と東京都保健医療局の手引(令和6年4月)は、0円になる条件をほぼ同じ形で挙げています。

仕入控除税額の返還が0円になる5つのケース(2026年10月時点)

ケース0円になる理由添付を求められやすい書類
①消費税の申告義務がない(免税事業者)仕入税額控除そのものをしていない設立・開業届の写しなど(新規の場合)
②簡易課税で申告している控除額は売上×みなし仕入率で決まり、実際の支払消費税と連動しない確定申告書の写し
③2割特例で申告している納付税額を売上税額の2割とする計算で、実際の支払消費税と連動しない確定申告書の写し
④公益法人等で特定収入割合が5%超特定収入(補助金)で賄った分を控除から差し引く調整を済ませている特定収入割合の計算表
⑤個別対応方式で「非課税売上のみに要するもの」として申告非課税売上のみに要する課税仕入れは控除されない付表2・勘定科目別の区分表

2割特例は、令和5年10月1日から令和8年9月30日までの日の属する課税期間に使える経過措置です(No.6498)。個人事業者なら2026年分の申告が最後です。3月決算の法人も、2026年4月1日から2027年3月31日までの事業年度が9月30日を含むため対象です。

0円でも報告書は出す

秋田県の資料には「仕入控除税額が0円でも、0円と記入して、県へ提出してください」とあります。東京都の手引も「仕入税額控除がない場合も、都への報告が必要です」としています。返還がないことと、報告が要らないことは別の話。

報告書には、確定申告書の写しや付表2を添えるよう求められることが多くあります。電子申告なら受信通知の写しで足りるかも、交付元の様式で確認します。

補助金の仕入控除税額を返還するかの判定フロー

  • 補助対象経費に消費税を含めて交付を受けたか
  • STEP1補助対象経費は税抜で計上された補助金に消費税分が入っていない → 返還は生じない
  • STEP2免税事業者・簡易課税・2割特例で申告した実際の支払消費税を控除していない → 返還0円(報告は提出)
  • STEP3公益法人等で特定収入割合が5%超、または非課税売上のみに要するもので申告控除はすでに減っている → 返還0円(計算表を添付)
  • STEP4上のどれにも当たらない(原則課税で控除した)補助金額×10/110を基本に、申告方式ごとに返還額を計算する

図:返還が生じるのは、消費税込みで交付を受け、原則課税で実際に控除した場合だけ。

返還額の計算方法|全額控除・個別対応・一括比例配分

返還額は、申告で使った仕入控除税額の計算方法で変わります。国税庁 No.6401のとおり、課税売上高5億円以下かつ課税売上割合95%以上なら全額控除です。それ以外は個別対応方式か一括比例配分方式で計算します。返還額の式もこの3通りに分かれます(秋田県の参考資料)。

仕入控除税額(返還額)の計算式(標準税率10%の経費の場合)

申告の方法返還額の計算式
全額控除(課税売上高5億円以下・課税売上割合95%以上)補助金額 × 10/110
個別対応方式A=補助金額 ×(課税売上対応分 ÷ 補助対象経費)× 10/110
B=補助金額 ×(共通対応分 ÷ 補助対象経費)× 課税売上割合 × 10/110
返還額=A+B
一括比例配分方式補助金額 ×(課税仕入れの額 ÷ 補助対象経費)× 課税売上割合 × 10/110

数字で比べる|補助金3,300,000円の返還額

設例は、補助率2/3の補助事業です。機械装置2,970,000円(課税売上にのみ使う)と、システム構築費1,980,000円(課税・非課税の両方の売上に使う)を払い、補助対象経費は税込4,950,000円でした。補助金は3,300,000円、課税売上割合は80%です。

申告方法ごとの返還額(補助金3,300,000円・課税売上割合80%の設例)

申告の方法計算返還額
全額控除3,300,000 × 10/110300,000円
個別対応方式A:3,300,000 × 0.6 × 10/110=180,000
B:3,300,000 × 0.4 × 80% × 10/110=96,000
276,000円
一括比例配分方式3,300,000 × 80% × 10/110240,000円
簡易課税・2割特例・免税事業者計算しない0円

同じ補助金でも、申告の方法で返還額は最大300,000円から0円まで動くわけです。個別対応方式では、補助対象経費を課税売上対応・共通対応・非課税売上対応のどれで申告したかが、そのまま返還額に出ます。用途区分の決め方は課税仕入れの勘定科目と消費税区分で確認できます。

人件費が混ざるときの按分と端数処理

補助対象経費に、人件費のように課税仕入れに当たらない経費が混ざることがあります。その場合は、補助金額を課税仕入れの割合で按分し、課税仕入れに係る部分だけを計算に使う決まりです(秋田県の参考資料)。

たとえば補助対象経費6,000,000円のうち人件費が1,050,000円、課税仕入れが4,950,000円で、補助金が4,000,000円だったとします。課税仕入れに係る補助金額は4,000,000円×4,950,000/6,000,000=3,300,000円です。全額控除なら返還額は3,300,000円×10/110=300,000円になります。

端数は、計算の途中では切り捨ても切り上げもせず、最後の返還額で小数点以下を切り捨てます(同資料)。交付元の計算シートが別の処理を定めていれば、そちらに従います。

軽減税率の経費・免税事業者からの仕入れが入るとき

上の式の10/110は、標準税率10%の経費を前提にしています。補助対象経費に軽減税率8%の品目や、適格請求書発行事業者でない相手からの仕入れが入ると、実際に控除した額は式どおりになりません。

免税事業者などからの課税仕入れは、経過措置の割合(80%・7・5・3割と段階的に縮小)だけが控除の対象です(No.6498)。返還の対象は「控除した額」なので、このような経費がある場合は、交付元の計算シートでの扱いを確認してから記入してください。

公益法人等・NPOの特定収入と補助金

公益法人等・NPO法人・社会福祉法人などでは、補助金を受け取ると消費税の申告そのものに調整が入るのが大きな違いです。国税庁 No.6495は、補助金・会費・寄附金など対価性のない収入を「特定収入」とし、これで賄った課税仕入れの消費税を仕入控除税額から差し引くと定めています。特定収入の例示には、補助金のほか保険金・損害賠償金も並びます。

特定収入の調整が要る法人と要らない法人(No.6495・2026年10月時点)

区分補助金の扱い返還の目安
株式会社・合同会社・個人事業主不課税。特定収入の調整はない原則課税で控除したら計算して返還
公益法人等・人格のない社団等で特定収入割合5%以下特定収入だが調整は不要原則課税で控除したら計算して返還
公益法人等・人格のない社団等で特定収入割合5%超(一般課税)特定収入で賄った課税仕入れの消費税を控除から差し引く0円(計算表を添付)
公益法人等で簡易課税調整は不要0円

特定収入割合は、特定収入の合計額を「課税売上高(税抜)+免税売上高+非課税売上高+国外売上高+特定収入の合計額」で割った割合です(No.6495)。5%を超えると、補助金で払った消費税は申告の段階ですでに控除から外れています。返還まですると二重に返すことになるため、返還額は0円。

寄付金を受け取る法人の特定収入は、寄付金の消費税は不課税|協賛金の境目と現物寄付の仕訳でも扱っています。

補助金と消費税の仕訳例

仕訳の前提は、税抜経理・原則課税(全額控除)の法人です。上の設例(補助対象経費 税込4,950,000円・補助金3,300,000円)を、交付決定から返還の納付まで通します。

仕訳例1|機械装置とシステム構築費を普通預金で支払った

借方金額(円)貸方金額(円)税区分
機械装置2,700,000普通預金4,950,000課税仕入10%
ソフトウエア1,800,000課税仕入10%
仮払消費税450,000-

補助金で払う予定の支出でも、課税仕入れとして仮払消費税を立てます(通達11-2-8)。

仕訳例2|補助金3,300,000円の交付が決定した

借方金額(円)貸方金額(円)税区分
未収入金3,300,000雑収入3,300,000対象外

補助金は不課税なので仮受消費税は立てません。収益に計上する時期(支給決定基準)と圧縮記帳は751の記事で扱っています。

仕訳例3|確定申告後に仕入控除税額300,000円の返還額が確定した

借方金額(円)貸方金額(円)税区分
雑損失300,000未払金300,000対象外

返還額は、返還命令などで金額が確定した時点で計上するのが一般的です。科目は「雑損失」のほか「補助金返還損」など、社内で決めた科目を続けて使います。補助金を受け取った事業年度のうちに返還額が分かれば、雑収入を減らす処理も選べます。

仕訳例4|納入通知書で300,000円を納付した

借方金額(円)貸方金額(円)税区分
未払金300,000普通預金300,000対象外

補助金の消費税相当額300,000円を返還したときの仕訳(税抜経理・原則課税)

借方

雑損失 300,000(対象外)

貸方

未払金 300,000

図:返すのは消費税でなく補助金の一部。仮受消費税・仮払消費税は動かさず、税区分は対象外で入力する。

返還は消費税の申告に影響しません。補助金の返還は不課税なので、課税売上割合の計算にも入れません。

よくある質問

補助金と消費税でよく検索される6問です。

Q1:補助金に消費税はかかりますか?

かかりません。消費税法基本通達5-2-15は、補助金のように「特定の政策目的の実現を図るための給付金は、資産の譲渡等の対価に該当しない」と定めています。国税庁 No.6157も不課税の例に補助金・助成金を挙げています。受け取っても課税売上にはならず、仮受消費税は立てません。

Q2:補助金の消費税区分は非課税ですか、不課税ですか?

不課税です。違いが出るのは課税売上割合で、非課税売上は分母に入りますが、不課税の補助金は分母にも分子にも入れません(No.6209)。交付元の資料に「非課税売上」と書かれていても、会計ソフトでは「対象外」を選びます。

Q3:補助金で買った設備の消費税は仕入税額控除できますか?

できます。通達11-2-8は、課税仕入れに当たるかどうかについて「資産の譲受け等のために支出した金銭の源泉を問わない」と定めているからです。ただし消費税込みの金額で補助を受けていた場合は、控除した分を交付要綱にもとづいて交付元へ返還します。

Q4:簡易課税なら補助金の消費税は返還しなくてよいですか?

返還は0円です。簡易課税の控除額は売上の消費税にみなし仕入率を掛けて決まり、補助金で払った消費税は控除額に影響しないからです。2割特例も同じ理由で返還額は生じません。ただし交付要綱で報告を求められている場合は、0円と書いた報告書と確定申告書の写しを提出します。

Q5:免税事業者が受け取った補助金の消費税はどうなりますか?

免税事業者は仕入税額控除をしないので、返還は0円です。補助対象経費に消費税を含められるかは制度ごとに違うため、公募要領の「補助対象経費」の欄を確認します。補助事業の年に課税事業者へ変わる予定があるときは、確定申告の方法まで見込んでおくと報告で迷いません。

Q6:返還した補助金の勘定科目と消費税区分は?

返還額が確定した時点で「雑損失」(または補助金返還損)として計上し、支払うまでは「未払金」で受けるのが一般的です。消費税区分は対象外です。受け取った事業年度のうちに返還額が分かれば、雑収入を減らす処理でもかまいません。

まとめ

補助金と消費税の扱いを1枚に整理します。

この記事のまとめ

  • 補助金は不課税。特定の政策目的の給付金は対価でない(通達5-2-15・No.6157(2))。雇用調整助成金も同じ
  • 課税売上割合の分母にも分子にも入れない(No.6209)。「非課税売上」で入力すると割合が下がる
  • 補助金で買った設備・経費の消費税は控除できる(通達11-2-8「金銭の源泉を問わない」)
  • 消費税込みで交付を受けて控除したら、仕入控除税額を報告して返還する。税抜で計上した補助金は返還が生じない
  • 返還0円は5ケース。免税・簡易課税・2割特例(令和8年9月30日の日を含む課税期間まで)・特定収入割合5%超の公益法人等・非課税売上のみに要するもの。0円でも報告する
  • 返還額は全額控除なら補助金額×10/110。個別対応方式・一括比例配分方式は課税売上割合が効く。途中は端数処理せず最後に切り捨て
  • 返還は雑損失(対象外)で計上し、仮払消費税・仮受消費税は動かさない

補助金と消費税 早見表(2026年10月時点)

場面消費税区分返還会計ソフトの税区分
補助金・助成金を受け取った不課税-対象外
補助金で設備・経費を払った課税仕入れ-課税仕入10%
税抜の補助対象経費で交付を受けた-生じない-
税込で交付・原則課税で控除した-計算して返還対象外(返還時)
税込で交付・簡易課税/2割特例/免税-0円(報告は提出)-
公益法人等で特定収入割合5%超特定収入0円(計算表を添付)対象外
国・自治体からの委託料課税売上10%-課税売上10%
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免責事項

※本記事は消費税の一般的な取扱いを国税庁・経済産業省・自治体の公開情報(2026年10月時点)に基づいて整理したものです。補助対象経費への消費税の算入や返還額の計算方法は、補助金ごとの公募要領・交付要綱で異なります。最新の要綱をご確認のうえ、必要に応じて顧問税理士など有資格者へご相談ください。


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この記事を書いた人

会計事務所で10年以上、法人や個人事業主の帳簿づけと税務申告の手伝いをしてきたTanakaです。決算が近づくと、経営者から「この支払いはどの科目で処理すればいいですか」という電話を何度も受けました。答えは業種や会社の規模で変わります。そこを一つずつ、相手に合わせて説明してきました。

独立してからは、中小企業の経理担当者向けの研修や、freee・マネーフォワード・弥生の科目設定の相談にも応じています。教科書の説明は抽象的で、現場では「とりあえず雑費」で片づけてしまうことも少なくありません。このサイトでは、勘定科目の選び方の判断軸を、具体例をそえて整理しています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご相談ください。

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