ゴルフ場利用税の消費税は不課税です(国税庁 No.6313・消費税法基本通達10-1-11)。領収書で税額が区分されていれば課税仕入れに入れず、区分されていなければ全額を課税仕入れにします。標準税率は1人1日800円、勘定科目は接待なら交際費です。
この記事でわかること
- ゴルフ場利用税が消費税の課税標準に含まれない理由と、通達10-1-11・No.6313 の本文
- 領収書で税額が区分されている場合と、されていない場合で処理がどう変わるか(判定フロー)
- プレー費・ゴルフ場利用税・緑化協力金・キャディフィー・ロッカー代・飲食など領収書9項目の消費税区分
- 勘定科目は交際費・福利厚生費のどちらか、租税公課に分けない理由
- 区分あり・区分なし・社内コンペ・個人事業主の税込経理の仕訳例4本、インボイスの読み方、標準税率800円と非課税になる人
公的情報源: 国税庁タックスアンサー No.6313「酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い」(参照)/消費税法基本通達 第10章第1節 課税資産の譲渡等 10-1-11(参照)/総務省「地方税制度|ゴルフ場利用税」(参照)/地方税法 第75条〜第83条(参照)
先に答え
ゴルフ場利用税の消費税区分は不課税です。税金を納めているのはプレーする人自身で、ゴルフ場は預かって都道府県に納めているだけなので、プレー料金の対価には当たりません。
ただし通達には「ただし書き」があります。領収書や請求書でゴルフ場利用税の金額が分けて書かれていないときは、ゴルフ場側の課税標準に含まれるため、払った側も全額を課税仕入れとして扱います。
この記事の要点
- ゴルフ場利用税は課税標準に含まれない。利用者が納税義務者だから(消基通10-1-11・No.6313・令和8年4月1日現在法令等)
- 領収書に「ゴルフ場利用税 800円」と区分があれば対象外、区分が無ければ全額が課税仕入れ(通達10-1-11 ただし書き)
- 区分は「非課税」でなく「不課税(対象外)」。課税売上割合の分母に入れない(No.6209)
- 勘定科目は取引先の接待なら交際費、社員だけのコンペなら福利厚生費。租税公課で分けると交際費等の額から漏れる(No.5265)
- 税額は1人1日800円が標準で上限1,200円。18歳未満・70歳以上・障害者は非課税(地方税法75条の2・76条・総務省)
ゴルフ場利用税の消費税は不課税|通達10-1-11とNo.6313の判定
ゴルフ場利用税とは、ゴルフ場を利用した人に1日ごとの定額でかかる都道府県税です(地方税法75条)。プレー料金には消費税がかかりますが、この税は消費税の課税標準に含まれません。
国税庁 No.6313「酒税、たばこ税などの個別消費税の取扱い」(令和8年4月1日現在法令等)は、軽油引取税・ゴルフ場利用税・入湯税を「利用者などが納税義務者となっているもの」と位置づけています。ゴルフ場が請求書や領収証で税額を相手に明らかにし、預り金や立替金の科目で経理するなど明確に区分していれば、課税標準に含まれないと明記しています。
通達10-1-11「個別消費税の取扱い」の本文
根拠は消費税法28条1項(課税標準)と、消費税法基本通達10-1-11です。通達の本文は次のとおりです。
「法第28条第1項《課税標準》に規定する課税資産の譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税等が含まれるが、軽油引取税、ゴルフ場利用税及び入湯税は、利用者等が納税義務者となっているのであるから対価の額に含まれないことに留意する。ただし、その税額に相当する金額について明確に区分されていない場合は、対価の額に含むものとする」
前半が原則、後半の「ただし書き」が実務の分かれ目です。酒税やたばこ税はメーカーが納税義務者で、販売価格の一部を構成するため課税標準に入ります。ゴルフ場利用税は利用者本人が納税義務者なので、ゴルフ場の売上ではなく預り金です。
なぜ利用者が納税義務者なのか|地方税法75条と特別徴収
地方税法75条は、ゴルフ場利用税を「ゴルフ場の利用に対し、利用の日ごとに定額によって、当該ゴルフ場所在の道府県において、その利用者に課する」と定めています。徴収は特別徴収の方法によらなければならず(82条)、ゴルフ場の経営者が特別徴収義務者に指定されます(83条)。
財務省のQ&Aも、ゴルフ場経営者が利用者からプレー料金とともに税を預かり、1か月分をまとめて都道府県に納めると説明しています。つまりゴルフ場は税を「売っている」のではなく、代わりに集めて納めているだけです。この構造が、対価の額に含まれない理由になります。
「非課税」でなく「不課税」|課税売上割合に入れない
「ゴルフ場利用税は非課税」と説明されることがありますが、区分は不課税(対象外)です。No.6209「非課税と不課税の違い」は、非課税を「対価を得て行う取引のうち政策的に課税しないもの」、不課税を「対価を得て行う取引に当たらないもの」と分けています。
払う側では、どちらも仕入税額控除ができない点は同じです。違いが出るのは受け取る側のゴルフ場で、不課税の預り金は課税売上割合の分母にも分子にも入れません(No.6209)。会計ソフトでは「対象外」「不課税」を選び、「非課税仕入」を選ばないようにします。
ゴルフ場利用税が領収書で区分されていない場合は全額課税仕入れ|判定フロー
ゴルフ場利用税の消費税処理は、領収書に税額の記載があるかどうかで決まります。記載があれば対象外、なければ全額課税仕入れです。
ゴルフ場利用税の消費税区分を決める判定フロー
- ゴルフ場の領収書・適格請求書を手元に置く
- STEP1「ゴルフ場利用税 ◯円」の行が分けて書かれているか書かれている → その金額だけ対象外(不課税)。プレー料金は課税仕入れ10%
- STEP2合計額しか書かれていない・内訳に利用税の行が無いゴルフ場側で課税標準に含めている → 全額を課税仕入れ10%として処理(通達10-1-11 ただし書き)
- STEP3緑化協力金・ゴルフ振興基金の行があるか対価でない協力金は対象外。消費税額の欄に含まれていない金額はそのまま対象外で入力
- STEP4誰と回ったかで勘定科目を決める取引先の接待 → 交際費/社員全員参加のコンペ → 福利厚生費(利用税も同じ科目)
図:区分の有無を先に見て、あとは適格請求書の「消費税額」欄に入っている金額だけを課税仕入れにする。
区分がある場合|税額だけ対象外にする
領収書に「プレー料金 20,000円・消費税 2,000円・ゴルフ場利用税 800円・合計 22,800円」と書かれていれば、800円は対象外です。課税仕入れは税込22,000円、仮払消費税は2,000円です。
利用税の800円を課税仕入れに混ぜると、仮払消費税が73円ほど多くなります。1回では小さい額ですが、接待ゴルフが年に何十回もある会社では申告額の差になるので、入力時に税区分を「対象外」に変えるのが確実です。
区分がない場合|全額を課税仕入れにできる理由
領収書に合計額しか書かれていないとき、ゴルフ場は通達10-1-11のただし書きにより、利用税相当額も課税標準に含めて申告しています。売り手側で課税売上になっている金額は、買い手側では課税仕入れです(No.6451)。
したがって払った側は全額を課税仕入れ10%として処理します。「本当は利用税が入っているはずだから800円を引く」という処理は、ゴルフ場側の申告と食い違うため行いません。
インボイスの読み方|利用税は消費税額の欄の外に出る
2023年10月以降、ゴルフ場が適格請求書発行事業者なら、領収書には登録番号と税率ごとの消費税額が書かれています(No.6498)。適格請求書の記載事項は「税率ごとに区分した対価の額と消費税額」なので、利用税はその枠の外に「ゴルフ場利用税」として別記されるのが通常です。
実務では、消費税額の欄に載っている金額を課税仕入れ、それ以外の税・協力金を対象外と読めば済みます。ゴルフ場が免税事業者で登録番号が無いケースは少ないですが、その場合は経過措置の範囲でしか控除できません。
ゴルフ場の領収書を分解する|プレー費・利用税・緑化協力金・キャディフィー・飲食の消費税区分
ゴルフ場の領収書は、課税10%の項目と対象外の項目が同じ紙に並ぶため、行ごとに区分を読みます。対象外になるのは、ゴルフ場利用税と、対価性のない協力金・基金です。
ゴルフ場の領収書(1名・税込)を課税と対象外に分ける
- プレー料金(グリーンフィー)
- 20,000円+消費税2,000円
- カートフィー・キャディフィー
- 役務の対価 → 課税
- ロッカー代・風呂利用料
- 施設利用の対価 → 課税
- 昼食・飲み物
- 外食は10%(持ち帰りの弁当は8%)
- ゴルフ場利用税
- 800円 → 不課税(通達10-1-11)
- 緑化協力金・ゴルフ振興基金
- 対価性なし → 不課税
- 入湯税(温泉付きコース)
- 利用者が納税義務者 → 不課税(同通達)
図:対象外は「税」と「協力金」だけ。キャディフィーやロッカー代は名前が費用でも役務の対価なので課税。
ゴルフ場の領収書 項目別の消費税区分と勘定科目(接待の場合・2026年9月時点)
| 領収書の項目 | 消費税区分 | 判定のポイント | 勘定科目(接待) |
|---|---|---|---|
| プレー料金(グリーンフィー) | 課税10% | ゴルフ場の役務提供の対価 | 交際費 |
| ゴルフ場利用税 | 不課税(対象外) | 利用者が納税義務者・区分があるとき(通達10-1-11) | 交際費 |
| 緑化協力金・ゴルフ振興基金 | 不課税(対象外) | 対価を得て行う取引に当たらない(No.6157の考え方) | 交際費 |
| キャディフィー | 課税10% | 役務の提供の対価 | 交際費 |
| カートフィー | 課税10% | 資産の貸付けの対価 | 交際費 |
| ロッカー代・風呂利用料 | 課税10% | 施設利用の対価 | 交際費 |
| 昼食・飲み物(クラブハウス) | 課税10% | 外食は標準税率 | 交際費 |
| 入湯税(温泉施設付き) | 不課税(対象外) | ゴルフ場利用税と同じ通達で不課税 | 交際費 |
| 手土産・コンペ景品(別購入) | 課税10%(食品は8%) | 購入先の適格請求書で判定 | 交際費 |
緑化協力金・ゴルフ振興基金は対価がないので不課税
緑化協力金やゴルフ振興基金は、ゴルフ場や業界団体への協力金で、何かの役務の対価ではありません。国税庁の通達に個別の定めはありませんが、No.6157「課税の対象とならないもの(不課税)の具体例」が挙げる寄附金と同じ考え方で、対価性がないため不課税として扱われています。
領収書で「緑化協力金 100円」と分けて書かれていれば対象外です。プレー料金に含めて合計額しか書かれていなければ、利用税と同じ理屈でゴルフ場側の課税標準に入っているため、全額課税仕入れで処理します。
入湯税・宿泊税との違い
温泉付きのゴルフ場では入湯税が並ぶことがあります。入湯税は通達10-1-11でゴルフ場利用税と並んで挙げられており、区分があれば不課税です。市町村税で税額は1人1日150円が標準です。科目と仕訳は入湯税の勘定科目・仕訳にまとめています。
宿泊税は通達10-1-11に名前がありません。ただ、宿泊者が納税義務者で宿が特別徴収する構造は同じで、領収書で区分されていれば対象外として扱うのが一般的です。
ゴルフ場利用税の勘定科目|交際費か福利厚生費か・租税公課にしない理由
ゴルフ場利用税の勘定科目は、プレー料金と同じ科目にします。取引先の接待なら交際費、社員全員が参加するコンペなら福利厚生費です。「税金だから租税公課」と分けるのは、法人税の計算で不利になります。
ゴルフの目的別 勘定科目と消費税区分(2026年9月時点)
| 場面 | プレー料金の科目 | ゴルフ場利用税の科目 | 消費税区分(利用税) | 根拠・注意 |
|---|---|---|---|---|
| 取引先を接待するゴルフ | 交際費 | 交際費 | 対象外 | 接待のために支出する費用は交際費等(No.5265) |
| 取引先主催のコンペ参加費 | 交際費 | 交際費 | 対象外 | 参加費の内訳に利用税が含まれていれば同じ |
| 社員全員参加のゴルフコンペ | 福利厚生費 | 福利厚生費 | 対象外 | 一部の役員・社員だけなら給与または交際費 |
| 役員が個人的に回ったプレー | 役員賞与・貸付金 | 同左 | 対象外 | 法人の経費にならない |
| 個人事業主の接待ゴルフ | 接待交際費 | 接待交際費 | 対象外 | 事業との関連が説明できる範囲 |
| 個人事業主の趣味のゴルフ | 事業主貸 | 事業主貸 | 対象外 | 経費にならない |
租税公課にしない理由|交際費等の額から漏れる
No.5265「交際費等の範囲と損金不算入額の計算」は、交際費等を「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定義しています。接待ゴルフのために払った利用税は、税の名前がついていても接待のための支出です。
租税公課に分けると、交際費等の額が800円分だけ小さくなります。資本金1億円以下の法人は、交際費等のうち800万円までか飲食費の50%までが損金です。上限に近い会社が利用税だけ租税公課に逃がすと、税務調査で交際費等に戻される可能性があります。上限と計算の仕方は接待交際費の勘定科目と損金算入の上限で扱っています。
なお、消費税の処理だけを考えれば租税公課でも交際費でも同じです。租税公課にしても対象外、交際費にしても対象外なので、科目より税区分の付け方が消費税の申告額を決めます。
会議費・福利厚生費との線引き
ゴルフ場のクラブハウスでの昼食は、ゴルフとセットの接待なので交際費です。1人1万円以下の飲食費を交際費等から外す特例(No.5265・令和6年4月1日以後)は「飲食その他これに類する行為」が対象で、ゴルフのプレー自体には使えません。判定の細かい線引きは会議費と交際費の違い・1人1万円基準にまとめています。
社員向けコンペを福利厚生費にできるのは、全社員が参加できる条件で、費用が常識的な範囲のときです。特定の社員だけなら給与課税の問題が出ます。境界は福利厚生費と給与課税の境界線が詳しいです。
ゴルフ場利用税の仕訳例4本|区分あり・区分なし・社内コンペ・個人事業主
仕訳は税抜経理を基本に、区分あり・区分なし・社内コンペ・個人事業主の税込経理の4本です。利用税の行だけ税区分を「対象外」にするのが全部に共通します。
取引先との接待ゴルフで、1名分のプレー料金22,000円(税込)+ゴルフ場利用税800円を現金で支払った(税抜経理)
借方
交際費 20,000(課税仕入10%)
仮払消費税 2,000
交際費 800(対象外)
貸方
現金 22,800
図:科目は同じ交際費でも、利用税800円の行だけ仮払消費税を立てない。会計ソフトでは2行に分けて税区分を変える。
仕訳例1(区分あり・税抜経理)|領収書に「プレー料金20,000円・消費税2,000円・ゴルフ場利用税800円・合計22,800円」と記載
| 借方 | 金額(円) | 貸方 | 金額(円) | 税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 交際費 | 20,000 | 現金 | 22,800 | 課税仕入 10% |
| 仮払消費税 | 2,000 | |||
| 交際費 | 800 | 対象外 |
利用税の800円は対象外なので仮払消費税を立てません。適格請求書の消費税額2,000円がそのまま仮払消費税になります。
仕訳例2(区分なし・税抜経理)|領収書に「プレー料金 22,800円(内消費税 2,072円)」とだけ記載され、利用税の行が無い
| 借方 | 金額(円) | 貸方 | 金額(円) | 税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 交際費 | 20,728 | 現金 | 22,800 | 課税仕入 10% |
| 仮払消費税 | 2,072 |
ゴルフ場が利用税を課税標準に含めて消費税を計算しているため、全額が課税仕入れです。領収書の消費税額をそのまま使い、自分で800円を引き算しません。
仕訳例3(社内コンペ・福利厚生費)|全社員参加のコンペで4名分のプレー料金66,000円(税込)+ゴルフ場利用税3,200円(800円×4名)を振込で支払った
| 借方 | 金額(円) | 貸方 | 金額(円) | 税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 福利厚生費 | 60,000 | 普通預金 | 69,200 | 課税仕入 10% |
| 仮払消費税 | 6,000 | |||
| 福利厚生費 | 3,200 | 対象外 |
科目が福利厚生費に変わっても、利用税の消費税区分は対象外のままです。参加者名簿と案内文を残しておくと、福利厚生費の要件(全社員対象)を説明できます。
仕訳例4(個人事業主・税込経理)|取引先との接待ゴルフで自分の分のプレー料金22,000円(税込)+ゴルフ場利用税800円を事業用カードで支払った
| 借方 | 金額(円) | 貸方 | 金額(円) | 税区分 |
|---|---|---|---|---|
| 接待交際費 | 22,000 | 未払金 | 22,800 | 課税仕入 10%(税込) |
| 接待交際費 | 800 | 対象外 |
税込経理でも行は2本です。1本にまとめて22,800円を「課税仕入10%」で入力すると、申告書の課税仕入れが800円分過大になります。
課税方式別の影響|簡易課税・2割特例なら納税額は変わらない
ゴルフ場利用税の区分が消費税の納税額に効くのは、原則課税(本則課税)の事業者だけです。簡易課税と2割特例は売上から納税額を計算するため、仕入側の区分は納税額に影響しません。
課税方式別 ゴルフ場利用税の処理(払った側・2026年9月時点)
| 自社の課税方式 | 利用税の区分が納税額に効くか | 処理 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 原則課税(本則課税) | 効く | 区分ありは対象外・区分なしは全額課税仕入れ | 通達10-1-11・No.6451 |
| 簡易課税 | 効かない | 帳簿上は対象外にしておく(課税仕入れの集計を正しく保つ) | No.6505 |
| 2割特例(2026年9月30日の属する課税期間まで) | 効かない | 同上 | No.6498 |
| 免税事業者 | 効かない | 税込額をそのまま費用計上 | No.6501 |
ゴルフ場利用税の税額と非課税|標準税率800円・上限1,200円・18歳未満と70歳以上
ゴルフ場利用税の標準税率は1人1日800円で、都道府県が定めても1,200円を超えることはできません(地方税法76条・総務省)。18歳未満・70歳以上・障害者のプレーは非課税です(75条の2)。
ゴルフ場利用税の税率と非課税(地方税法・総務省・2026年9月時点)
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 課税主体 | 都道府県 | 地方税法75条 |
| 納税義務者 | ゴルフ場の利用者(1日ごとの定額) | 地方税法75条 |
| 標準税率 | 1人1日 800円 | 地方税法76条1項 |
| 制限税率(上限) | 1人1日 1,200円 | 地方税法76条2項 |
| 等級制 | ホール数・利用料金に応じて差を設けられる(東京都は1級1,200円〜8級400円) | 地方税法76条3項・東京都主税局 |
| 非課税 | 18歳未満・70歳以上・障害者・国体や国際競技大会の選手・学校の教育活動(平成15年度創設) | 地方税法75条の2・総務省 |
| 徴収 | ゴルフ場経営者が特別徴収し、1か月分をまとめて都道府県に納入 | 地方税法82条・83条 |
| 交付金 | 税収の10分の7がゴルフ場所在の市町村に交付 | 総務省 |
非課税の人がいると領収書の利用税が人数分にならない
70歳以上の取引先を接待した場合、その人の分は利用税がかかりません。4名でプレーしても利用税は2,400円(3名分)です。非課税を受けるには年齢などを証明する書類をゴルフ場に示す必要があり(東京都主税局)、領収書の人数と税額が合わないときは、非課税の人がいたかを確認してください。
東京都のように65歳以上70歳未満や早朝・薄暮プレーで税率を2分の1に軽減する都道府県もあります(東京都主税局)。どの場合も払った側の処理は「領収書に書かれた税額を対象外にする」だけで、税額の多い少ないは区分に影響しません。
よくある質問
ゴルフ場利用税と消費税で実際によく検索される5問です。
Q1:ゴルフ場利用税に消費税はかかりますか?
かかりません。ゴルフ場利用税は利用者が納税義務者で、ゴルフ場が預かって都道府県に納める税です。消費税法基本通達10-1-11と国税庁 No.6313 は、領収書等で税額が明確に区分されていれば課税標準に含まれないと定めています。プレー料金には消費税10%がかかります。
Q2:ゴルフ場利用税の消費税区分は非課税ですか、不課税ですか?
不課税(対象外)です。非課税は土地の譲渡や利子のように対価を得る取引を政策的に課税しないもので、不課税は対価を得る取引に当たらないものを指します(No.6209)。ゴルフ場利用税は対価ではないので不課税です。会計ソフトでは「対象外」を選び、「非課税仕入」は選びません。
Q3:領収書にゴルフ場利用税の記載がない場合はどう処理しますか?
全額を課税仕入れ10%として処理します。通達10-1-11のただし書きにより、税額が明確に区分されていない場合はゴルフ場側の課税標準に含まれます。売り手が課税売上にしている金額は買い手の課税仕入れなので、領収書の消費税額をそのまま仮払消費税にし、自分で利用税相当額を引きません。
Q4:ゴルフ場利用税の勘定科目は租税公課ですか、交際費ですか?
取引先の接待なら交際費です。No.5265 は交際費等を「接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するもの」と定義しており、接待ゴルフの利用税もこれに当たります。租税公課に分けると交際費等の額が小さくなり、800万円の定額控除限度額の計算がずれます。社員全員参加のコンペなら福利厚生費です。どちらの科目でも消費税区分は対象外です。
Q5:ゴルフ場利用税はいくらで、誰が非課税になりますか?
標準税率は1人1日800円で、上限は1,200円です(地方税法76条)。都道府県はホール数や利用料金に応じて等級を設けており、東京都は1級1,200円から8級400円まで8段階です。18歳未満・70歳以上・障害者のほか、国体や国際競技大会の選手、学校の教育活動としての利用は非課税です(75条の2・総務省)。
まとめ
ゴルフ場利用税の消費税区分を1枚に整理します。
この記事のまとめ
- ゴルフ場利用税は不課税(対象外)。利用者が納税義務者で、ゴルフ場は預かって納めるだけ(消基通10-1-11・No.6313)
- 領収書に区分があれば税額だけ対象外、区分が無ければ全額課税仕入れ。自分で利用税相当額を引かない
- 区分は「非課税」でなく「不課税」。課税売上割合の分母に入れない(No.6209)
- 緑化協力金・ゴルフ振興基金・入湯税も対象外。キャディフィー・カート・ロッカー・飲食は課税10%
- 勘定科目はプレー料金と同じ。接待は交際費、全社員コンペは福利厚生費。租税公課で分けると交際費等の額から漏れる(No.5265)
- 税額は標準800円・上限1,200円。18歳未満・70歳以上・障害者は非課税(地方税法75条の2・76条)
ゴルフ場利用税の消費税 早見表(2026年9月時点)
| 場面 | 消費税区分 | 会計ソフトの税区分 | 勘定科目 |
|---|---|---|---|
| 領収書に「ゴルフ場利用税 ◯円」の記載あり | 不課税 | 対象外 | 交際費(接待)/福利厚生費(全社員コンペ) |
| 領収書に利用税の記載なし・合計額のみ | 全額課税10% | 課税仕入 10% | 同上 |
| プレー料金・キャディフィー・カート・ロッカー・飲食 | 課税10% | 課税仕入 10% | 同上 |
| 緑化協力金・ゴルフ振興基金・入湯税(区分あり) | 不課税 | 対象外 | 同上 |
| 簡易課税・2割特例・免税事業者 | 納税額に影響なし | 対象外にしておく | 同上 |
免責事項
※本記事は消費税・法人税・地方税の一般的な取扱いを国税庁・総務省・e-Gov法令検索の公開情報(2026年9月時点)に基づいて整理したものです。ゴルフ場利用税の税額や軽減は都道府県の条例により異なり、領収書の記載方法によって処理が変わります。最新の法令をご確認のうえ、必要に応じて顧問税理士など有資格者へご相談ください。
