償却資産申告の固定資産台帳からの転記|勘定科目と資産の種類の対応表

償却資産申告の台帳からの転記

償却資産申告は、固定資産台帳をそのまま写すと合いません。勘定科目を申告書の「資産の種類1〜6」に置き換え、申告しない資産を外し、台帳にない資産を足してから転記します。種類別明細書の列ごとの出所と、合計の検算まで整理しました。

この記事でわかること

  • 台帳の勘定科目(建物附属設備・構築物・機械装置・車両運搬具・工具器具備品)を資産の種類1〜6のどれに置くか
  • 台帳にあっても申告しない資産と、台帳になくても申告する資産の一覧
  • 種類別明細書(増加資産・全資産用)の列ごとに台帳のどの値を写すか、写さない値はどれか
  • 減少資産用の書き方と、申告書の(イ)−(ロ)+(ハ)=(ニ)の集計
  • 台帳の合計と申告の合計を合わせる検算の手順と、令和9年度分からの免税点

公的情報源: 東京都主税局 令和8年度 固定資産税(償却資産)申告の手引き/地方税法(e-Gov法令検索)/総務省 固定資産税の概要

先に答え

固定資産台帳は、償却資産申告の材料です。ただし台帳は法人税・所得税のための帳簿なので、申告書とは対象の範囲も締める日も違います。

転記の前に、台帳を3つの点で直します。勘定科目を資産の種類の番号に置き換えること、申告しない資産を外すこと、台帳から消えている資産を足すこと。写すのは取得年月・取得価額・耐用年数で、帳簿価額や償却費は写しません。

この記事の要点

  • 資産の種類は1構築物・2機械及び装置・3船舶・4航空機・5車両及び運搬具・6工具、器具及び備品の6つ
  • 建物附属設備は家屋として課税されるものを除き「1」。テナントが付けた内装・設備は償却資産になる(東京都の手引)
  • 自動車税・軽自動車税の対象になる車両、ソフトウェア、一括償却資産は申告しない
  • 償却済みの資産・中小企業者等の少額資産の特例で落とした資産は申告する。台帳から漏れやすい
  • 明細書には取得年月・取得価額・耐用年数を写す。評価額は自治体が計算する(一般方式)
  • 免税点は令和8年度分まで150万円、令和9年度分(2027年1月1日現在の資産)から180万円

目次

固定資産台帳の勘定科目と償却資産申告の資産の種類

申告書と種類別明細書は、資産を6つの種類に分けて書きます。台帳の勘定科目とは名前が似ていますが、建物附属設備と車両運搬具だけは、そのまま番号に置き換えられません。

対応は次のとおりです。種類の番号と例示は東京都主税局の令和8年度 申告の手引き(3ページ・7ページ)に沿っています。

台帳の勘定科目 → 申告書の資産の種類(東京都の手引をもとに整理・2026年10月時点)

台帳の勘定科目申告書の資産の種類転記で迷うところ
構築物1 構築物舗装・門・塀・広告塔など。そのまま「1」
建物附属設備1 構築物 または 家屋(申告しない)家屋の持ち主が付けたかどうかで分かれる
建物家屋(申告しない)テナントが計上した内装・造作は「1」
機械装置2 機械及び装置建設機械の大型特殊自動車も「2」
船舶・航空機3 船舶・4 航空機ボート・漁船・ヘリコプターなど
車両運搬具5 車両及び運搬具 または 申告しない自動車税・軽自動車税の対象は申告しない
工具器具備品6 工具、器具及び備品パソコン・応接セット・ルームエアコンなど
土地・ソフトウェア・繰延資産申告しない償却資産に当たらない

勘定科目から資産の種類へ

  • 固定資産台帳の1行
    • そのまま番号へ構築物→1/機械装置→2/船舶→3/航空機→4/工具器具備品→6
    • 中身で分かれる建物附属設備→1か家屋/車両運搬具→5か申告しない
    • 申告しない建物(家屋)・土地・ソフトウェア・繰延資産・一括償却資産

図:番号に直せる科目は5つ。建物附属設備と車両運搬具は中身を見てから決める

建物附属設備は家屋か「1 構築物」かで分かれる

固定資産税では、建物に付いた設備を「家屋」と「償却資産」に分けて評価します。家屋に含まれる設備は家屋の固定資産税で課税されるので、償却資産としては申告しません。

分かれ目は、家屋の持ち主と設備の持ち主が同じかどうかです。東京都の手引は次のように扱っています。

  • 持ち主が同じ場合:受変電設備・予備電源設備・中央監視設備のように、独立した機器の性格が強いものや特定の業務用の設備は償却資産。屋内の電灯・給排水の配管・衛生設備などは家屋
  • 持ち主が違う場合:テナントが取り付けた内装・造作・建築設備は、テナントの償却資産として申告する

自社ビルの台帳に「建物附属設備」とあっても、全部が申告対象になるわけではありません。1行ずつ東京都の償却資産と家屋の区分表で確かめます。

たとえば受水槽は、区分表では持ち主が同じなら家屋、テナントが付けたなら償却資産です。受水槽そのものの耐用年数と科目は受水槽の耐用年数と勘定科目で扱っています。

建物附属設備の振り分け(東京都の区分表から主なもの)

設備家屋の持ち主が付けたテナントが付けた
受変電設備・予備電源設備償却資産(1)償却資産(1)
屋内の電灯設備家屋償却資産(1)
給排水の配管・受水槽・ポンプ家屋償却資産(1)
内装・造作(床・壁・天井の仕上げ)家屋償却資産(1)
ルームエアコン(壁掛型)償却資産償却資産
エレベーター家屋償却資産(1)

壁掛型のルームエアコンは、東京都の手引では「6 工具、器具及び備品」の例に挙がっています。区分表の扱いは自治体で違うことがあるので、提出先の手引を優先してください。

車両運搬具は大半が申告対象外

営業車やトラックのように自動車税・軽自動車税の対象になる車両は、償却資産に含めません。実際に自動車税が課されていなくても、対象になるべきものは外します(東京都の手引)。

残るのは大型特殊自動車です。東京都の手引は、分類番号が「0、00〜09、000〜099」の建設機械を「2 機械及び装置」、「9、90〜99、900〜999」の大型特殊自動車を「5 車両及び運搬具」としています。小型特殊自動車のフォークリフトは軽自動車税の対象なので申告しません。

台帳の「車両運搬具」は、車検証の分類番号を見てから番号を決めると迷いません。

台帳にあっても申告しない資産・台帳になくても申告する資産

台帳と申告の範囲がずれる原因は、少額資産の処理と、償却が終わった資産の扱いです。同じ取得価額でも、税務でどう処理したかで申告するかどうかが変わります。

少額の資産は税務上の処理方法で決まる

東京都の手引(7ページ)は、地方税法施行令第49条により次の資産を申告対象から外しています。逆に、中小企業者等の少額資産の特例で損金にした資産は申告対象です。

少額資産の処理方法と申告の要否(東京都の手引・2026年10月時点)

税務上の処理申告台帳での見え方
10万円未満を一度に損金・必要経費にしたしない台帳に載らないことが多い
20万円未満を3年間で一括償却した(一括償却資産)しない台帳に「一括償却資産」で載ることがある
中小企業者等の少額資産の特例で即時に損金にしたする台帳から漏れやすい
少額でも個別に減価償却しているする台帳に載っている
20万円未満のリース資産(法人税法64条の2等のリース)しない借主の台帳に載ることがある

中小企業者等の特例で落とした資産は、法人なら法人税申告書の別表十六(七)に明細が残ります。台帳に載せない運用の会社は、ここから拾ってください。

一括償却資産は別表十六(八)の対象です。こちらは申告から外します。

台帳から外れていても申告する資産

東京都の手引(6ページ)は、次の資産も申告が必要だとしています。

  • 償却済みの資産(耐用年数が過ぎた資産)。備忘価額1円になっていても、使える状態なら対象
  • 建設仮勘定で経理している資産のうち、完成して事業に使っている部分
  • 簿外の資産
  • 遊休・未稼働の資産(使える状態にあるもの)
  • 改良費(資本的支出)。本体とは別の資産として扱う
  • 福利厚生のための資産(社員食堂の設備など)

償却が終わった資産を台帳から消す運用の会社では、ここが申告漏れの温床です。減価償却の仕組みそのものは減価償却とはで確認できます。

台帳に載っていても申告しない資産

反対に、台帳に載っていても次のものは申告しません。

  • 土地・建物(家屋として課税される部分)
  • 自動車税・軽自動車税の対象になる車両
  • ソフトウェア・特許権などの無形固定資産
  • 創立費・開業費などの繰延資産
  • 一括償却資産

ソフトウェアを固定資産に計上している場合も、償却資産の申告には載せません。ソフトウェアの資産計上の基準はソフトウェアの勘定科目と仕訳で整理しています。

種類別明細書(増加資産・全資産用)に台帳から写す列

増加資産・全資産用の明細書には、前年1月2日から当年1月1日までに取得した資産を書きます。その提出先に初めて申告するときは、1月1日現在に持っている全部の資産を書きます(東京都の手引)。

2027年1月の申告なら、取得日が2026年1月2日〜2027年1月1日の行を台帳から抜き出します。期間中に取得してすぐ除却・移動した資産は除きます。

明細書の列と台帳の値の対応(東京都の様式で整理)

明細書の列台帳のどの値を写すか転記の注意
資産の種類勘定科目前の章の対応表で1〜6の番号に置き換える
資産の名称等資産名20文字以内。「同上」で省略しない
取得年月取得日1月1日に取得した資産は前年12月と書く
取得価額取得価額圧縮記帳の前の額。事業割合で按分しない
耐用年数耐用年数耐用年数省令の年数。中古は見積耐用年数
増加事由取得区分1新品取得・2中古品取得・3移動による受け入れ・4その他
摘要備考申告もれ分・中古・短縮・課税標準の特例など

取得年月は「取得日」から。1月1日だけ例外

取得年月は、台帳の取得日の年と月を書きます。1月1日に取得した資産だけは、前年の12月として書きます。

年号はコードで書く様式があります。東京都の様式では令和が「5」、平成が「4」で、令和の年号は印刷済みです。年号の番号の振り方は、自治体の様式で確かめてください。

取得価額は台帳の数字を直してから写す

取得価額は、資産を取得するために払った額で、付随費用を含みます。東京都の手引は、台帳の数字をそのまま使えない場合として次を挙げています。

  1. 圧縮記帳をした資産:固定資産税の評価では圧縮記帳を認めていません。圧縮する前の取得価額を書きます
  2. 事業と私用の両方に使う資産:取得価額の全額を書きます。個人事業主が台帳で事業割合を掛けていても、按分前の額に戻します
  3. 居抜きや無償で受け取った資産:取得価額が分からなければ見積もって書きます
  4. 消費税:税抜経理なら税抜、税込経理なら税込。ふだんの経理方式のまま書きます

耐用年数は法定の年数を写す

耐用年数は、耐用年数省令の別表第一・第二・第五・第六の年数です。中小企業者等の特例で即時に損金にした資産も、書くのは法定の耐用年数です。

中古資産で見積耐用年数を使っている場合はその年数を、短縮の承認を受けている場合は短縮後の年数を書き、摘要に「中古」「短縮」と添えます。

帳簿価額・償却費・償却方法は写さない

一般方式(増えた資産と減った資産だけを出す方式)では、評価額は自治体が計算します。台帳の帳簿価額・当期の償却費・定率法か定額法かは、明細書には写しません。

固定資産税の評価は、国税の減価償却と計算の仕方が違います。東京都の手引の「国税の取扱いとの主な違い」は、次の点を挙げています。

法人税・所得税の減価償却と償却資産の評価の違い(東京都の手引から)

項目法人税・所得税固定資産税(償却資産)
計算の基準日事業年度(決算期)1月1日
前年中に取得した資産月割りで償却半年分を償却
圧縮記帳・特別償却・即時償却認められる認められない
評価額の最低限度備忘価額1円取得価額の5%
中小企業者等の少額資産の特例認められる金額にかかわらず認められない

台帳の帳簿価額が1円の資産でも、申告では取得価額で書くということです。減価償却の計算は減価償却費・減価償却累計額の勘定科目と仕訳で確認できます。

台帳の列と明細書の列

写す
勘定科目
資産の種類の番号へ置き換え
取得日
取得年月(1月1日は前年12月)
取得価額
圧縮前・按分前に直してから
耐用年数
法定の年数(中古は見積)
写さない
帳簿価額
評価額は自治体が計算する
当期の償却費
評価は半年償却で別計算
償却方法
申告書の該当欄に○を付けるだけ
事業割合
按分せず全額で書く

図:明細書に写すのは取得の情報だけ。帳簿価額と償却費は写さない

減少資産用と申告書の(イ)〜(ニ)への集計

前年1月2日から当年1月1日までに売却・除却・移動した資産は、種類別明細書(減少資産用)に書きます。拾うときの目印は、台帳の除却日・売却日です。

減少資産用は自治体で番号の振り方が違う

減少資産用には、どの資産が・どれだけ・なぜ減ったかを書きます。番号の振り方が自治体で違う欄なので、提出先の様式をそのまま使ってください。

減少資産用の書き方の例(東京都と大阪市の比較・2026年10月時点)

欄東京都(令和8年度の手引)大阪市(記載例)
全部か一部か異動区分「1」全部減少/「3」一部減少・修正区分「1」全部/「2」一部
減った理由減少等の事由の番号(1〜4)を○で囲む1売却・2滅失・3移動・4その他
摘要売却先・移動先など具体的な内容移動先・売却先などの名称

出所は東京都の手引(16〜17ページ)と大阪市の種類別明細書(減少資産用)の記載例です。

3台のうち1台を売った場合のように一部だけ減ったときは、減る前の数量・取得価額に線を引き、下の段に減った後の数を書きます。東京都の様式は、印字済みの資産のうち変更があったページだけを出せばよい扱いです。

申告書の(イ)〜(ニ)は種類ごとに集計する

償却資産申告書の取得価額の欄は、資産の種類ごとに4つの数字を書きます。

  • (イ)前年前に取得したもの:前年の申告の(ニ)と同じ額。東京都では印字されている
  • (ロ)前年中に減少したもの:減少資産用に書いた資産の取得価額の合計
  • (ハ)前年中に取得したもの:増加資産用に書いた資産の取得価額の合計
  • (ニ)計:(イ)−(ロ)+(ハ)

申告漏れだった資産や、ほかの区から移してきた資産は、(イ)ではなく(ハ)に入れます。(イ)が前年の(ニ)と合わないときは、理由を備考欄に書きます(例:前年度除却もれ資産あり)。

前年中に増えた資産も減った資産も無いときは、明細書は付けません。申告書の備考欄に「増減なし」と書いて出します(東京都の手引)。

固定資産台帳から転記する手順と検算

台帳から申告書までは、次の順に進めると手戻りが少なくなります。抜き出す前に、台帳に「設置場所」の列があるか見ておきます。申告は資産がある市区町村ごとに出すので、場所が分からないと振り分けられません。

  1. 台帳を所在地ごとに分ける:東京23区なら区ごと、ほかは市町村ごとに1通
  2. 勘定科目を資産の種類の番号に置き換える:建物附属設備と車両運搬具は1行ずつ判定
  3. 申告しない行に印を付ける:家屋・自動車税の対象車両・ソフトウェア・一括償却資産など
  4. 台帳にない資産を足す:償却済みで消した資産、中小企業者等の特例で落とした資産
  5. 期間で増加と減少に分ける:取得日・除却日が前年1月2日〜当年1月1日の行
  6. 取得価額を直す:圧縮前・按分前・経理方式どおりの税抜か税込か
  7. 種類ごとに(イ)〜(ニ)を集計して検算する

3月決算の法人は、抜き出す期間が2つの事業年度にまたがります。2026年1月2日〜3月31日は前期の台帳、4月1日〜2027年1月1日は当期の台帳から拾います。当期は決算前なので、12月末までの取得・除却が台帳に入っているかを先に確かめてください。

台帳の合計から申告の合計へ

  • 検算の式
  • 1台帳の取得価額の合計1月1日現在に台帳に載っている資産
  • 2− 申告しない資産家屋・車両・ソフトウェア・一括償却資産など
  • 3+ 台帳にない資産償却済みで消した資産・少額資産の特例で落とした資産
  • 4= 申告書の(ニ)の合計資産の種類1〜6の(ニ)を足した額と一致する

合わなければ、2と3の拾い漏れか、(イ)の前年との差を疑う

図:台帳から申告しない資産を引き、台帳にない資産を足すと、申告書の(ニ)の合計になる

数字で確かめる(3月決算の法人の例)

2027年1月の申告で、ある法人の台帳が次のようになっていたとします。架空の数字です。

台帳から申告対象を拾う(2027年1月1日現在・取得価額)

台帳の資産台帳の取得価額申告での扱い
建物(自社所有)30,000,000円申告しない(家屋)
建物附属設備:受変電設備2,400,000円1 構築物
建物附属設備:給排水設備1,800,000円申告しない(家屋)
構築物:駐車場の舗装1,500,000円1 構築物
機械装置3,600,000円2 機械及び装置
車両運搬具:営業車2,800,000円申告しない(自動車税)
工具器具備品:複合機・応接セット1,200,000円6 工具、器具及び備品
ソフトウェア800,000円申告しない
一括償却資産:パソコン3台450,000円申告しない

台帳の合計は44,550,000円です。申告しない資産は35,850,000円なので、台帳から申告に回るのは8,700,000円になります。

これに台帳にない資産を足します。償却が終わって台帳から消した陳列棚300,000円と、少額資産の特例で落としたタブレット5台1,250,000円です。申告の(ニ)の合計は8,700,000円+1,550,000円=10,250,000円になります。

申告書の(イ)〜(ニ)(同じ法人・2026年中に機械1台とタブレットを取得し、旧複合機を除却)

資産の種類(イ)前年前(ロ)減少(ハ)取得(ニ)計
1 構築物3,900,000003,900,000
2 機械及び装置2,400,00001,200,0003,600,000
6 工具、器具及び備品1,800,000300,0001,250,0002,750,000
合計8,100,000300,0002,450,00010,250,000

(ニ)の合計10,250,000円が、台帳から出した10,250,000円と一致すれば転記は合っています。(イ)の8,100,000円は、前年の申告書の(ニ)の合計とも合うはずです。

免税点の改正と提出前に確かめること

免税点は、取得価額ではなく課税標準額(評価額の合計)で判定します。令和8年度分までは150万円、令和9年度分からは180万円です。

令和9年度分は、2027年1月1日現在の資産について2027年1月に出す申告です。今度の申告から新しい免税点で判定されます。

免税点は申告をやめてよい基準ではありません。東京都の手引は、1月1日現在に償却資産を持つ人に申告を求めています。都が申告をもとに課税標準額を計算し、免税点未満なら課税せず、納税通知書も送らないという流れです。

提出の前に確かめること

提出前の確認(地方税法・東京都の手引から)

確かめること根拠
1月1日現在の資産を1月31日までに所在地の市区町村へ(23区は都税事務所)地方税法第383条
複数の区・市にある資産は所在地ごとに1通ずつ東京都の手引 6ページ
正当な理由なく申告しないと過料を科されることがある地方税法第386条
申告漏れが見つかると最大5年度分さかのぼって課税される地方税法第17条の5第5項(東京都の手引 22ページ)

2027年は1月31日が日曜日です。受付の最終日は提出先の手引で確かめてください。

税率は標準で1.4%(総務省)。納税通知書が届いた後の仕訳と消費税の区分は固定資産税の消費税は不課税で扱っています。

よくある質問

償却資産申告で台帳を写すときに迷いやすい7問です。

Q1:固定資産台帳をそのまま申告書の代わりに出せますか?

台帳そのものは申告書ではないので、種類別明細書の項目に組み替える必要があります。会計ソフトから明細書の形で出力する場合も、資産の種類の番号と申告しない資産の除外は確かめてください。東京都の手引は、都が配る用紙以外で出すときはA4にして、送付された申告書を付けるよう求めています。

Q2:建物附属設備は資産の種類の何番ですか?

東京都の手引では「1 構築物」の例に入っています。ただし自社所有の建物に付けた屋内の電灯や給排水の配管などは家屋として課税されるので、償却資産としては申告しません。受変電設備のように独立した機器や、テナントが付けた内装・設備は「1」で申告します。

Q3:社用車やフォークリフトは申告しますか?

自動車税・軽自動車税の対象になる車両は申告しません。小型特殊自動車のフォークリフトも軽自動車税の対象なので外します。申告するのは大型特殊自動車で、東京都の手引では建設機械が「2 機械及び装置」、それ以外が「5 車両及び運搬具」です。

Q4:償却が終わって帳簿価額が1円の資産はどう書きますか?

使える状態なら申告します。書くのは帳簿価額の1円ではなく、取得したときの取得価額です。固定資産税の評価額は取得価額の5%が下限なので、償却が終わった資産にも評価額が残ります。

Q5:一括償却資産と少額減価償却資産は申告しますか?

20万円未満で3年間の一括償却をした資産は申告しません。10万円未満で一度に経費にした資産も同じです。中小企業者等の少額資産の特例で即時に損金にした資産は、金額にかかわらず申告します。

Q6:前の年から資産が増えも減りもしていないときは?

種類別明細書は付けず、償却資産申告書の備考欄に「増減なし」と書いて出します(東京都の手引)。償却資産を持っていない場合は「該当資産なし」と書きます。

Q7:免税点未満なら申告しなくてよいですか?

東京都の手引は、1月1日現在に償却資産を持つ人に申告を求めています。課税標準額は申告をもとに計算され、免税点未満なら課税されないという順番です。免税点は令和8年度分まで150万円、令和9年度分から180万円です。

まとめ

固定資産台帳から償却資産申告への転記を、最後に1つの表にまとめます。

この記事のまとめ

  • 勘定科目を資産の種類1〜6の番号に置き換える。建物附属設備と車両運搬具は1行ずつ判定
  • 家屋・自動車税の対象車両・ソフトウェア・一括償却資産は申告しない
  • 償却済みで消した資産・少額資産の特例で落とした資産は台帳になくても申告する
  • 明細書に写すのは取得年月・取得価額・耐用年数。帳簿価額と償却費は写さない
  • 取得価額は圧縮前・按分前・経理方式どおりに直してから写す
  • 申告書は種類ごとに(イ)−(ロ)+(ハ)=(ニ)。台帳の合計からの差異調整で検算する
  • 免税点は令和9年度分(2027年1月の申告)から180万円。申告そのものは必要

償却資産申告の転記 早見表(2026年10月時点)

台帳の状態申告での扱い書く書類
前年1月2日〜当年1月1日に取得増加資産増加資産・全資産用+申告書の(ハ)
同じ期間に売却・除却・移動減少資産減少資産用+申告書の(ロ)
前年以前から持っていて変化なし前年前の資産申告書の(イ)だけ
償却済みで台帳から消した申告する未申告なら増加資産用に「申告もれ分」
家屋・車両・ソフトウェア・一括償却申告しない書かない
増えも減りもしない増減なし申告書の備考に「増減なし」
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免責事項

※本記事は固定資産税(償却資産)の申告について、地方税法と総務省・東京都主税局・大阪市の公開情報(2026年10月時点)をもとに一般的な取扱いを整理しています。申告の様式・区分の扱い・受付期限は提出先の市区町村で異なります。個別の判断は提出先の固定資産税の担当窓口、または顧問税理士など有資格者にご確認ください。


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この記事を書いた人

会計事務所で10年以上、法人や個人事業主の帳簿づけと税務申告の手伝いをしてきたTanakaです。決算が近づくと、経営者から「この支払いはどの科目で処理すればいいですか」という電話を何度も受けました。答えは業種や会社の規模で変わります。そこを一つずつ、相手に合わせて説明してきました。

独立してからは、中小企業の経理担当者向けの研修や、freee・マネーフォワード・弥生の科目設定の相談にも応じています。教科書の説明は抽象的で、現場では「とりあえず雑費」で片づけてしまうことも少なくありません。このサイトでは、勘定科目の選び方の判断軸を、具体例をそえて整理しています。最終的な税務判断は、顧問税理士にご相談ください。

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